ANA、受託手荷物の適用ルールを変更 日本発エコノミー「Light」運賃では1個に
元反対派も新滑走路建設推進派に、成田空港のこれからのゆくえ【チャーリィ古庄の航空時事評論】
中国人旅行者の爆買いも収まった昨今、政府は引き続き訪日旅行の促進を進めており、外国人旅行者の数は年々増加。2015年には約2,000万人の人々が日本を訪れた。そして東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年には訪日外国人旅行者を4,000万人にするという目標を政府は掲げている。しかしそれに伴った首都圏の空港機能が追い付いておらず、早急な空港整備が求められている。
都心の空港は、今後羽田空港が南風時の滑走路の使い方の見直しを行うことで、1時間あたりの発着回数が80回から90回へと増加するものの、都心上空を通過するため落下物や騒音問題などの反対運動もあるほか、便数は増えても滑走路やターミナルビルが増えるわけではなく、これだけでは訪日観光客増加のペースには追い付かない状態である。
そこで現実味を帯びてきているのが成田空港第3滑走路の建設。一部の人は成田は遠いので羽田の増便を願う人もいるが、現実問題としてもう1本滑走路を羽田沖に作るのは巨額の建設費用、さらなる都心上空騒音問題、混み合う飛行ルート、港湾船舶との調整などもあり難しい。そこで首都圏の航空便の増加を担うのが成田の新滑走路で、用地買収と建設費用を考えても現在最も安価で空港整備ができ増便できる案である。
昨今の羽田の国際化により、ビジネス路線は成田から羽田にシフトした路線や撤退した外資系航空会社もあるが、ここ数年の動きを見ると日系航空会社も成田からサンディエゴ、ボストン、クアラルンプール、ヤンゴン、ブリュッセル、デュッセルドルフなど新路線を開設しているほか、格安航空会社(LCC)を含む外資系航空会社や日系LCCの新路線開設、増便が相次いでいる。また今年10月にはイベリア航空が成田~マドリード線を復活させるなど、成田を発着する便数は毎年右肩上がりで増え続けている。
国際空港なのに開港以来長らく1本の滑走路で運用を行っていた成田だが、2本目の滑走路は2002年の日韓ワールドカップで訪日需要増加に対応するために完成した。そして現在は第3滑走路建設の動きが地元の協力もあり動き始めていると共に、運用時間の延長も視野に入ってきている。現在成田では騒音対策のために朝6時~深夜11時までしか運用ができない。2013年より天候や他社のトラブルなどのやむを得ない状況で遅れた場合、騒音が少ない機材に限って深夜0時までの離着陸が認められているが、これを運用時間を朝5時~深夜1時までに延長する案も出ている。これは昔と比べて主力旅客機が低騒音の新機材に変わり、従来よりも騒音が低減していることによるものだ。