石垣の観光を考えるシンポジウム、新国立競技場設計の隈研吾氏が講演

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1月14日、沖縄県石垣市のANAインターコンチネンタルホテル石垣リゾートで、石垣市文化観光シンポジウムが開かれた。

建築家の隈研吾氏による特別講演「島の文化と魅力の創出」、隈氏と中山義隆氏(石垣市長)、谷口正和氏(石垣市観光アドバイザー、ジャパンライフデザインシステムズ代表取締役)、佐々木雅幸氏(文化庁文化芸術創造都市振興室長、同志社大学教授)、平田大一氏(公益財団法人沖縄県文化振興会理事長、沖縄「文化プログラム」基本方針検討委員会委員)、岡田智博氏(クリエイティブクラスター代表)が登壇したパネルディスカッション「文化観光都市ISHIGAKI2020 東京オリパラに向けて」の2部構成で、市民をはじめ多くの関係者が集まった。

冒頭に挨拶した中山義隆石垣市長は、「2016年の観光客数120万人突破が確実視され、今年もクルーズ船の寄港が史上最高となるほか、航空路線の拡充、機材の大型化も見込まれる。最大の魅力である自然、伝統的な文化を育み、継承していきたい。」と話した。

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隈研吾氏は、新国立競技場の設計のほか、スターバックスコーヒー太宰府天満宮表参道店、KITTE(キッテ)、西武 旅するレストラン「52席の至福」、ザ・キャピトルホテル東急、無印良品「窓の家」などの多くの建築物や内装などを手掛けた著名建築家で、旧石垣空港跡地に建設している新石垣市庁舎も設計している。講演では事例を交えながら、「観光客が市役所に遊びに来るということが大事。文化を発信する重要な場所。」と、得意する自然やその土地の伝統を活かした建築について説明した。

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パネルディスカッションでは、「製造業で雇用が生まれる時代ではない。新しい、小さいけどクリエイティブな仕事を増やしていくことが大事。(佐々木雅幸氏)」、「地方のほうが面白いものが残っていて、盛り上げていく競争が生まれている。(隈研吾氏)」、「石垣は創造都市であるということを再確認していきたい。アジア各地、都市間で工場やテクノパークのような形からではなく、土壌を活かした価値を作っていく中で石垣はユニーク。(岡田智博氏)」、「人を引き付ける磁力が強いものを持った取り組みが残っていく。観光産業はマグネットコンテンツ産業、人づくり産業。(平田大一氏)」と様々な立場から多くの意見を述べた。

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石垣市は日本の最西南端に位置する、11の有人島から構成される八重山諸島の拠点都市。2013年には新石垣空港が開港し、中型機の離発着ができるようになったことや、国際線の新規就航や増便、クルーズ船の寄港が増加したことから観光客数が年々増加している。