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クリスマスのロンドン着航空券が妙に安いワケ 公共交通機関が休みで路頭に迷う?【さかいもとみの旅力養成講座】
まもなくクリスマスですね!日本はクリスマスこそ祝日ではありませんが、お正月休みを控え、早めに海外へ脱出、なんていう人もちらほら出始める頃でしょうか。
年末年始のまとまったお休みを使って欧州へ旅行に出るのも一つのアイデアでしょう。現地は「日が短くて寒い」という欠点はありますが、オフシーズンで足も宿も安め、クリスマスマーケットやイルミネーションを見物するという楽しみがあります。
ところが、意外なところに落とし穴が。日本人訪問客も多い英国のロンドンではクリスマス当日(12月25日)、ありとあらゆる公共交通が運休となります。市内を普段走り回っている2階建てバスや地下鉄はもとより、国鉄に当たるナショナルレール全線もストップ。つまりこの日は「国民みんなでお休みしようね」という日なのです。
空港特急も例外なく運休
ロンドンの市内交通が運行されていないクリスマス当日は、例えば日本からヒースロー空港に降り立っても市内への公共の足はありません。普段ならヒースロー空港と市内中心部との間は「ヒースロー・エクスプレス」というノンストップ特急がわずか15分で結んでいますが、2017年の場合、クリスマス当日どころか「12月23〜27日の間は運休」と旅行者泣かせの方針を打ち出している。
「慣れない外国に行くんだから、空港からはいつもタクシー。公共交通のあるなしなんて関係ないわ!」という人もいることでしょう。しかし12月25日は減便こそあれ、ヒースロー空港を発着する飛行機はそこそこたくさん飛んでいます。なのに交通機関が止まっているわけなので、人々は当然タクシーの列に並びます。とてもとても寒い冬のロンドンで、相当長い時間タクシーを待つのは苦行です。
クリスマスのタクシーは「正当にボッて良い?」
さらに困ったローカルルールがあります。「タクシーの運転手さんは、みんなが休んでいる日の働いているんだから、お客から割増運賃を取るのは正当」と、クリスマス特別料金を乗せて請求することをロンドン市役所が正式に認めているのです。
仮にタクシーにヒースローから市内中心部のホテルまで行ったら、100〜150ポンド(約15,500〜23,000円)ととんでもない金額が請求されます。普段、地下鉄で市内中心部に行ったらせいぜい1,000円くらい、ヒースロー・エクスプレスでも2,500円ほどですからその追加支出はとても痛い! 航空券を買う際、「どのフライトが安いのか。この数千円の差はどうなのか」と悩んだ努力が、一瞬にして余分なタクシー代という形で消え去る訳です。