ANAとアリタリア航空、包括提携 今冬ダイヤからコードシェアやマイレージ提携

全日本空輸(ANA)とアリタリア-イタリア航空は、包括提携契約を締結した。

アリタリア-イタリア航空が運航する東京/成田〜ローマ・ミラノ線とローマ〜トリノ・ミラノ・フィレンツェ・ボローニャ・ヴェネツィア・ナポリ線のイタリア国内線、ANAが運航する東京/成田〜札幌/千歳・仙台・大阪/関西・福岡・沖縄/那覇の日本国内線で、10月28日より共同運航(コードシェア)を行う。同日からは、相互のコードシェア区間限定でマイルの積算、ANAとアリタリア航空が運航する全便の特典航空券に交換することができるようにする。

ANAは、アリタリア-イタリア航空への出資についての計画はなく、自社運航の計画も現在のところないという。アリタリア-イタリア航空のイラチ・マッシモ最高戦略・オペレーション執行役員は、「今回の業務提携では、イタリアと日本をまず近づけたい。羽田も将来的に考えたい。」と、羽田空港への就航の意欲も見せた。スターアライアンスへの加盟については否定した。

スターアライアンスはアライアンス内での提携を厳しく求めているものの、他の航空会社が認めればアライアンス外の航空会社と提携することができる。ANAではスターアライアンス加盟航空会社にアリタリア航空との提携について提案し、満場一致で承認されたという。アライアンスの枠を超えた航空会社間の提携は急速に増えており、JALはハワイアン航空やアエロメヒコ航空、ANAはフィリピン航空や上海吉祥航空と2社間提携を行っている。

ANAは1995年12月に大阪/関西〜ローマ線、1996年9月には大阪/関西〜フランクフルト・ミラノ〜ローマ線をボーイング747LR型機で就航していたものの、利用率が低迷したことから運休し、日本航空(JAL)もミラノとローマからは、経営再建に伴い撤退しており、日系航空会社はイタリアに就航していない。アリタリア-イタリア航空は日本とイタリアを結ぶ直行便を唯一運航している。

アリタリア-イタリア航空はイタリア最大航空会社で、イタリア国内23都市、世界70都市へ運航している。2017年5月に経営破綻したものの、イタリア政府がつなぎ融資を行い、運航を継続している。これまでにも、エールフランスKLM、エティハド航空による出資を受けて経営再建を図っていたものの、労働組合などの強い反発により追加出資を受けることができず、経営破綻に陥った。スポンサーを選定する意向であるものの、選定は難航している。日本線は、東京/成田〜ローマ線を通年で毎日、東京/成田〜ミラノ線は夏期は毎日、冬期は週5便を運航している。