Peach新路線発表記者会見、質疑応答一問一答 「成田からの路線展開は考えていない」

6月11日に東京都内で行われた、Peachの新路線発表記者会見での、井上慎一最高経営責任者(CEO)とメディア関係者との一問一答は次の通り。

ーー成田への就航への狙いと期待を教えてください。
関西圏のみならず、関東のみなさまからも要望があり、そういった後押しがあり決断した背景がある。東京と関西は非常に太い旅客流動があり、いろいろな方が往来している。我々は過去1年で学習したのだが、乗りたいけど乗れていない潜在需要も同じくらいある。潜在需要を取り込むという狙いで、成田に就航させていただく。

ーー要望が多いというのはどういうことか。どういう層を狙っているか。
今の顧客層は、女性が5割強と多く、若い女性が多い。目的は旅行、親族訪問。大学生で、単身で上京してきて一人暮らししている大学生が実家に帰られたり、墓参り、法事などの行事、介護などで定期的に帰られるお客様を層として狙っている。

ーー搭乗率の予測はどれくらいか。
大体、70〜75%位を考えている。

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ーー運賃については今後ということか。
今、諸手続きの最中のため、場を改めてリリースさせていただきたい。

ーー例えば、新幹線に比べて半額程度、大手の半額程度にするという目安は。
運賃は発表できる状況ではない。これから飛ぶ、関空〜石垣は6190円。大手だと4万円くらいする路線。これまでの例から予測いただきたいというのが、今の段階での答え。

ーー関西のお客さんが圧倒的に多いと思うが、最近の首都圏のお客さんの利用動向、利用比率は。
昨年末から、首都圏にお住まいの方の利用が高まってきている。学生の方が2月、3月から首都圏から深夜バスで関西まで来られて、弊社の便で沖縄とか鹿児島に行くという人多数いた。

なけなしの金で旅行するのだから、より確実な方法で行きたい。という方もいらして、割と首都圏のお客様の利用が増えている。(利用比率などの)数字はお話できない。

ーー成田を拠点しないとあるが、3月に深夜の着陸可能時間が1時間伸びたが、成田を拠点とするには、まだまだ不十分なのか、検討するに値するか。
私どもは、明解に24時間空港以外は考えていない。特に、それでどうこうということは考えていない。
成田から路線を増やすということは考えていない。

ーー成田空港の発着ターミナルについて、第2ターミナルのエアアジア(・ジャパン)の使っているところを使うのか、第1ターミナル南ウイングのANAを所を使うのか。
これから検討させていただく。より、私どもにとってコストがかからず、お客様の利便が最大限担保できるところをポイントに探していく。

ーー関空で以前は6時台もあったが、朝は7時台出発で23時到着というのが増えている。5時、6時、24時台の発着は考えているか。
これは、アクセスの状況と一緒の話で、柔軟に変える。関空は24時間空港なので、基本的に24時間使いたい。アクセスが24時間可能ならもっと張る。アクセスがないのに早朝にセットしてもお客様に来てもらえない。最近、この1年で、アクセスの状況は相当改善されたので、今後も改善されれば状況は変わってくる。

ーー石垣への路線をスカイマークや他社も新規路線をスタートさせる中、Peachの勝算、どこを売りにして展開いくのか。
関空〜石垣線にスカイマークが飛ぶという事は聞いていない。我々なりの役割を発揮できる。運賃も6,190円からなので、これまで石垣に行きたくても行けなかった方達、九州もそうだが、集団就職等で石垣出身の方が多数関西に住んでいる。里帰り需要も。

ーーエアアジア・ジャパンが合弁解消というニュースがあったが、LCCを日本で最初に展開したPeachとして、どうやってLCCを展開していくのか。
私も昨日、ニュースで拝見したばかりで、正直、他社さんのことなのでわからない。なんで破綻されたのかも全く存じ上げない。コメントは差し控えさせていただく。私どもはPaech流のLCCモデルがあるので、さらに磨き上げていくに尽きる。

ーー成田と関空を飛ぶことによって、乗継需要をどの程度重要視しているのか。関空と成田というのは、他の航空会社も就航しており、ライバルも多いのではないか。
狙っているのは潜在需要なので、実は今のところよくわかっていない。どの路線もそう。そういった層は結構いるという予想をしている。鹿児島に飛んだ時に驚いたのは、鹿児島の方が乗継で札幌に行くという方が多かった。暫定ターミナルだったので乗継が不便だったにも関わらず安い運賃だと。

仙台に飛ばさせていただいた後も、関空経由で、逆もそう。アジアから乗り継いで行く方もいる。事前に予測できるといえば分からなかった。必ずそういう需要はある。マーケットの反応を見ながら固めていく。

ーー今後の路線計画。今後どんな空港に就航したいと考えているのか。例えば、自衛隊の基地にも就航の可能性もあるのか
私どものビジネスモデルは明確。関空から4時間以内。4時間を超える路線は考えていない。枠内ならフレキシブル。もし条件が許せば、柔軟に対応するという姿勢を持っている。あらゆるビジネスチャンスは取り込んでいく。

ーービジネスチャンスを取り込んでいくということだが、貨物事業は。
今はやっていない。今後、ビジネスチャンスとして視野に入っている事は確か。今は全くやる予定はない。

ーー最近は日本国内の路線の開設が相次いでいる。国内を充実させたいのか、海外も同時並行なのか。
路線展開の中で、国内線、国際線では考えていない。関空から何時間という時間で考えているので、他の会社と発想が違うかもしれない。潜在需要があるビジネスチャンスがあるところから飛ばしている。相手側のいろいろな条件があるので、希望通りになるわけではない。我々はそういった視点から少しづつを路線を増やしていく。特に海外は後回しにしているということは考えていない。

路線はあんまり増えないねと言われるが、実は便数を増やしている。鹿児島線は最初は1日2往復だった。お客様の強い支持をいただいて、一時期1日8便に増やした。便数を増やしたりしているので、飛行機が路線拡大につながっていない部分はご理解いただきたい。

今後、釜山以降も4時間以内は検討に含まれている。チャンスあり次第展開する。

ーー関空〜成田線は競合が多いが、強みをいかに出していくのか。
我々の強みは定時運航、就航率の高さを全面に撃ち出していきたい。そして、お手頃な価格。多少の差はあるが、お手頃感では他社に負けない。おかげさまで、関西のみなさんの強い支持をいただいている。阪神タイガースのようなファン層を掴んでいるなという希望を含め、支持を得たい。そういった方の利用がいただけるのでは。


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ーーエアアジアと全日空との(合弁会社である)エアアジア・ジャパンのブランドを引き継ぐことを検討しているのか、交渉しているのか。
非常に話題にしていただくのはありがたいが、本当、何も聞いていない。勝手に押し付けられても困る。私どもなりに検討させていただきたい。

ーーお手頃感では他社に負けないの他社は、航空事業の他社なのか、今ある新幹線、バスも入ってくるのか。
全部となる。我々、全部に対してお手頃感があるようになりたいと思っている。

ーー高速バスは3,500円、4,000円くらいものものある。それもライバルか。
そこまで出せるのかというのはあるが、福岡線で一時期高速バスより安い運賃を出したことはある。

(書き起こしはTraicy編集部、一部簡潔にまとめました)

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