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ANA・エアアジア合弁解消記者会見一問一答 国内にも勝算、新LCCでエアアジアに対抗
6月25日に、東京・港区のANAホールディングス本社で行われた、エアアジアとの合弁解消発表会見の質疑応答一問一答は次の通り。
・ANAとして、共同事業の解消について考え始めたのはいつくらいできっかけは。共同事業はうまくいかなかった理由をどう分析するか。
結果的に、共同事業を解消して、新たなブランドでとしたほうがいいと判断したということ。
エアアジア・ジャパンは、2012年8月に運航開始し、なかなか日本の中でも知名度が上がらず、収入が思った形であがってこない。株主間で、どういう風にやれば収益が上がるか、2012年の年末からずっと議論してきた。日本のマーケットで、エアアジアグループのやり方を全て持ち込むというのに限界があると考えており、100%ANAホールディングスにぶら下げて、新たなLCC事業として出発したほうがグループ全体でいいと考えた。
・11月1日以降の新会社は、今の路線は引き継ぐということか。11月1日時点で、機材は何機体制、路線等は。その後の機材の拡大計画は、年末までにどれくらいまで増やしたいということがあるか。
10月31日まではエアアジア・ジャパンとして運航。その後の新会社について、11月1日以降は7月中に判断して改めて発表したいと思っている。11月1日からの運航になるか、どういう路線をどういう機材でというのは、その時に合わせて発表したい。
・エアアジア・ジャパン自体は収益的にどういう状態か。赤字、累計損失はどれくらいか。
2012年度営業収益は、35億円のマイナス。
・11月1日以降、新会社の設立が遅れて1便も飛ばないということはあるのか。
10月31日までは、エアアジアブランドで飛ばすということは決まっているが、11月1日以降、どういうブランドで、どういう路線、機材でいつから運航を開始するというのは、7月中に改めて判断する。
・詳細は7月中とのことだが、現段階でピーチとの関係について決まっていることはあるのか。
当然のことながら、この先ブランド、機材、計画というのは7月に発表と考えている。いろいろな選択肢を考えている。現時点で発表はできない。事業の継続性というのも観点も重要と見ている。
・ピーチとの統合の可能性もあれば、新たなものを立ち上げる可能性もあるということか。
ピーチはグループ会社でなはく、持分法適用会社なので、ANAホールディングスとしてピーチのブランドを使うということを判断できない。日本に合ったLCCを立ち上げるということで、あらゆる可能性を排除できない。現時点でピーチを使う、使わないというのは判断できない。
・基本的には新しいものを立ち上げるのか。
事業の継続性をもとに、首都圏の後背地圏の需要をきちんと汲み取っていくLCCを立ち上げたいと考えている。
・ブランドはどうするか。
こちらも7月に判断する。
・事業の継続性という話は、いきなりなくなっちゃうという話ではないのか。
機材は、夏の繁忙期以降、10月31日までにゆるやかに返却していく。返していく機材の関係で、そういう状況も。事業計画等の詳細は、エアアジア・ジャパンが決める。
・機材5機を返すということで、今ある路線は。
今のエアアジア・ジャパンは6月、7月を維持。9月、10月に機材を返却することで、少しづつ便数が減っていく形になる。エアアジア・ジャパンでは、現行路線を維持。その後、新しいLCCブランドを立ち上げ、どういったところとターゲットにして、目的にするかということについて、7月に発表。
・どういうところがうまくいかなかったというのを詳しく。ANAホールディングスがやることで、どこがうまくできるか。
ANAがホールディングス化したことで、迅速な意思決定が行える。ANAホールディングスにはマルチブランド戦略があり、ANAブランド以外のLCCブランドもANAホールディングスの下に事業会社としてあり、その中で、エアアジアのブランドでやってきた。なかなか知名度が日本で上がらない、成田自体が国内線として規模が小さいということもあった。日本のマーケットに合った売り方が充分できなかったと思う。ウェブサイトもそうだが、全てエアアジアということで、アジア均一の売り方という部分が日本に馴染まなかったと思っている。日本のマーケットはきめ細かいサービスを求める。LCCとはいえ、丁寧な対応を求められる。そういったところが不十分だったかなと。
・成田は難しいというのだが、拠点として使うというのは。
エアアジア・ジャパンを立ち上げたが、成田は国内線は非常に少なかった。国内線のほとんどが国際線に乗継だったが、成田でLCC2社が立ち上がって、この2年間で、成田の国内線需要は私どもの試算で約3倍に膨らんでいる。成田の国内線の認知度が上がれば需要は増える。新しいLCCも成田は重要な拠点。
・合弁解消で株式を買い取るのは今日か、わかるのであれば何円か。
本日のANAホールディングスの取締役会で、JV(ジョイントベンチャー)契約の解消を確認。価格は両社間の中で契約の中に含まれているので、金額は現時点で申し上げられない。
・LCCの基本のナレッジをグループで蓄積できたというが、具体的に。どのようにANAブランドに生かせるのか。
コスト削減、ユニットコストを下げるというのはLCCは長けている。いかに効率よく機材を動かし、地上時間少なくやるかは非常に勉強になる。いろんな形でのお客様の機内の誘導などの時間短縮は、LCCから学ぶこともある。システム等も簡単なやり方で片付けるという点も参考になっており、一人がマルチスキルでやるノウハウを2年間の中で学べた。当然、この先新しいLCCブランドでもノウハウは使えると考えている。
・エアアジアと意見の相違ということで、ウェブサイトが日本のマーケットに合わなかったとあるが、アジア均一でというのはどういうところか具体的に。
日本中心の路線が最初に出てこない。慣れていない人、英語が強くない方に使いづらいのかなと思っている。少しづつ、エアアジアサイドと改善したが、なかなか消費者のニーズのスピードと合わなかったと思う。売り方はウェブを通した個人販売となっているが、日本ではまだまだ代理店販売をやっている。7月以降、代理店と契約してロードファクター(搭乗率)を上げる。
・エアアジアのウェブサイトが使いにくい、販売、仕様が違うという部分は立ち上げの時点で予見できるものだったと思うが、最初から温度差があったのか。
やはり、エアアジアのブランドは、アジア最強と言われている。今やっているやり方について、日本のマーケットに合わないということだけで変えるのは相当のこだわりがあった。画一されたブランドなので、東南アジアでは威力を発揮するのではないかと思うが、日本ではきめ細かなサービスを求めるというのにあわなかった。
・フルサービスキャリア(がLCCに携わる難しさがあると思うが、新たに始めるにあたって、アジア最強と手を組んでもうまくいかなかった事業を、FSCが主導権を握ってやる難しさをどう考えるか。
元々LCC立ち上げの際、フルサービスキャリアに引っ張られるとLCCの持ち味を生かせないと遠ざけるという言い方をした。4月からANAホールディングスになり、ブランド管理はANAホールディングスが戦略として行う。ANAブランドとは100%子会社としてきちんと切り離した中で新たなLCCを探る。グループではないが、うまく成功しているピーチのノウハウも多少もある。エアアジア・ジャパンで学んだノウハウもある。首都圏、成田は主要だと思っている。ANA100%になったからLCCだからこそできるものもある。ブランドとしては、事業会社ANAとLCCと付き合い方としていたが、よりブランド戦略が取りやすい経営体制に4月からなっている。100%ぶら下げることでの何の心配もしていない。
・今現在、従業員はどれくらいで、事業を縮小する場合、ANAが引き受けるとか、解雇とかは。
エアアジア・ジャパンには380名、ANAの出向は42名の約420名。新しい形のLCCを作った際、どういう規模で、機材をどうするかを検討。規模的に見れば、伸びていくLCCなので、従業員には不安はないと思う。今回の合弁解消で、逆にどちらの会社に行きたいかは選択の自由がある。双方、もしエアアジアさんが新たなブランドならそっちに行かれる、ANA100%のほうがというのは自由な判断に委ねられる。我々は自信を持ったLCCを7月に発表したいと思っている。
・成田拠点は重要とのことだが、エアアジアJでは中部を拠点としてるが、中部は新たなLCC会社でどうなるのか。
7月に詳しく(発表する)。成田、中部に準じた拠点。需要はそれなりについてくると思っている。この先、成田も重要で、中部も重要。当然重大なファクターとして新しいLCCで検討することになる。
・エアアジアでも新たなLCCという動きがあるが、懸念は。
JV解消ということで、11月以降はエアアジアが新しいことをやるというのを止める権利はない。当然、今まで学んだノウハウを含め、エアアジアが新たな事業をやっても、打ち勝てる競争力を持ったLCCをつくっていく。当然、競争は厳しくなるが、自信を持ったLCCで対抗したい。
・エアアジアとの差別化で武器になるものは
次のLCCが何を目指すかになる。日本のマーケットで考えれば、おもてなし含めて、よりきめ細かいところに目を行き届くLCCを目指す必要があると漠然と考えている。
・中部ではLCCターミナル建設を凍結したが。
私どもは承知していないという状況。
・エアアジア・ジャパンの機材をエアアジアに返却するが、機材調達はどの程度のペースで見込んでいるのか。
この先のLCCを見据えて計画的に考えている。新たに導入する機材や、計画的に考えている機材もある。退役延長を含めて機材の手は打っている。エアアジア・ジャパンは5機で10月末に返却するが、それを充分に上回る規模の機材の目処を付けている。
・成田で国内線LCCをやる難しさを誇張しているが、勝てる勝算は。プレーヤーもジェットスター、エアアジア、スカイマークなどで供給過剰という気もするが。
感覚的に、成田で国内線がたくさん飛んでいるというのは、利用者に十分浸透しなかったと思っている。元は小さい規模だったが、3倍くらいになっている。関空では1年で6割増えている。関空も国際線だけでなく国内線も飛んでいるというイメージがあったが、成田は国内線飛んでいないのではないかというイメージも。少しづつという、成田からの国内線が安く乗れるというのがある。スカイマーク含めて3社ということだが、次のLCCでその中でもどこの路線をやるか、潜在的に見ることで、国内も勝算はある。
・限界があるということなら、新LCCは国際線のほうによりシフトするということはありうるのか。
国際線も充分視野に入れている。なかなかどういう形で、競合を避けいい路線をとっていくかというのは、国内も、国際線も視野に入れてやっていくLCCを立ち上げたい。
・きめ細かいサービスについて詳しく。
予約時、搭乗、機内を含めて、トータルでサービスをみる必要。日本の消費者の感覚では、かゆいところに手が届く感じるようなサービスを持ったLCCをやっていく必要があるのではないか。エアアジアではできなかったサービス。そういったところも視野に入れた、新しいLCCを考えていく必要がある。
・エアアジアJの計画と実績の差はどれくらい。
お話しできない。
・サービス開始1年以内に合弁会社を解消になったことに関して感想を。
1年以内ということもあるのかもしれないが、ANAホールディングス体制になって、早期な判断をしたことで、日本マーケットにあったLCCに早く変わること可能だと考えた。いろいろいい事だけでない所も勉強した。4月のANAホールディングス含めて、今回、早い判断が可能だったと考えている。(一部を省略しています)