「追加料金を支払ってでも広い座席に座りたい!」 エアバス調査結果

エアバスが行った調査によると、近年の旅客は長距離路線のフライトを予約する際に座席の快適性を事前に調べる人が、増加傾向にあるということが明らかになりました。

ガルーダ・インドネシア航空

ガルーダ・インドネシア航空(GIA)のエアバスA330-300機内 資料提供:Airbus

これはエアバスが長距離フライトにおけるエコノミークラスの乗客を対象に、座席の快適性に関するアンケート調査を実施、その結果内容をまとめたもの。加えて、エコノミークラスよりも快適な座席なら進んで余分に料金を払うという調査結果も出ています。

アンケートに答えた乗客のうち、半分以上が座席の快適性を改善することを重要と考え、4割以上がエコノミークラスでも快適な座席であれば、進んで追加料金を支払うと回答。また、5%パーセントは快適性を求めてワンランク上のクラスへアップグレードを検討するという回答も得られています。

より快適な座席を求める乗客は年々増加し、狭い座席を受け入れない傾向が強いという。また、34パーセントの旅客が座席の快適性を見極めるため、予約前に専門的なウェブサイトを調べていることも明らかになっています。

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長距離フライトにおけるエコノミークラスの旅客を対象に、エアバスがまとめた座席の快適性に関するアンケート調査結果 資料提供:Airbus

長距離のフライトにおける不快要素トップ3位は、睡眠時の快適性欠如、背中の痛み、足の痛み。幅の狭い座席は疲れや筋肉の痛みなど、降機後の健康状態にも悪い影響を及ぼすといわれ、旅行者血栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)を引き起こす恐れもあります。

そういったことから、近年では航空各社も「ビジネスクラスは高くて手が出えない」という乗客のニーズに応え、プレミアム・エコノミーの導入や座席幅拡大等で広い座席スペースを確保し、サービスの向上に努めています。

「IATA Global Passenger Survey」による2012年の調査結果では、エコノミークラス搭乗者のうち最大70パーセントがビジネス客であり、彼らにとってフライト後に良好な健康状態であることは重要なポイント。

今後、いかにして利用頻度の高いビジネス客を取り入れるかが、メーカーや航空会社のカギとなるでしょう。

なお、エアバスは乗客の快適性を確保するため、長距離フルサービスのフライトにおけるエコノミークラスの標準座席幅を18インチ(45.72センチ)としている。

 
(※調査方法と対象:長距離フライトのエコノミー・クラス旅客1,052人を対象に、シンガポール・チャンギ国際空港、シャルル・ド・ゴール国際空港、フランクフルト国際空港、スキポール空港でアンケート実施。回答者の出身地域はアジア24%、北米26%、ヨーロッパ26%、その他24%。)