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「中部を開拓する価値は充分ある。」 エアアジア・ジャパン、小田切義憲社長単独ロングインタビュー(3)
7月1日に、日本での第二幕のスタートを宣言した、エアアジア・ジャパン。昨年10月に、日本国内線の空から消えた”赤い翼”は、楽天という強力なスポンサーとともに、日本に舞い戻ってきた。
同社の小田切義憲(おだぎり・よしのり)代表取締役社長に、同社の課題と今後について聞いた。((2)から続く)
ー運航を検討している路線、ハブ(拠点)空港の選定は。
現在、最終調整をしているところ。
ー国内線と国際線の比率はどのようなイメージに。
最終的には半々よりちょっと国際線が多いイメージ。政治状況や外部環境にもよるので変動要素はある。
ー新エアアジア・ジャパンとしてハブ空港を選定する基準は。
24時間ではなくても、オペレーション制約が極めて少なく、スロット(発着枠)、スポット(駐機場)に余裕があり、自分たちのいい時間帯を含めてあまり苦労せずに枠が取れるところがいい。
ー成田、関西はハブとするLCCが多く、国内・国際線ともに競合すると思う。あえて他社との競合するのか、競合を避けて単独運航する路線を多くするのか。
両方を見ながら最終調整をしている。
競合が多いということはマーケットの大きさが一程度あるので、リーダーとして入っていくのか、それとも新たなグリーンフィールドを開拓してくのかというところを考えている。
ー後背地を見ると、成田は3000万人弱、関空は2000万人、中部は1200万人くらいある。すでに成田ベースのLCCは3社、関西ベースは2社あり、中部だけはないが、これをどのように見ているか。
成田の場合、3,000万人と言っても羽田があるので、羽田にほとんど取られてしまう。成田の3,000万人は成田だけでエンジョイできるわけではなく、ほとんどは羽田のほうが便利という点では厳しいなと思っている。
頑張ってはいるが、地上のアクセス改善という課題も残っており、そこも含めて成田ではないところを考えている。
ー関西や中部国際空港についてはどう考えるか。
関西はマーケットが大きいので魅力があると思っている。国内線、国際線含めてかなりLCCが入ってきている。新関西国際空港株式会社は、精力的にLCCのために施策を持っていただいていますので、どう判断するかということになる。
中部は、関西以上に空港自体にが空きがあり、そこをどう使っていくか。3つの空港では一番後背地が小さいところですが、そこの青いところを開拓する価値は充分にあると思う。
ー中部国際空港は、空港へのアクセス手段は他の2空港と比べると劣っているが、その点はハブ空港選定の際に重要視するのか。すでにお話は。
需給バランスだと思っている。我々が便をいっぱい張れて、お客様がついてくれば、バスや鉄道の時間が早くなることは充分あると思う。
楽観視しているわけではなく、私は以前、羽田空港にいましたが、15年位前にはお客様が羽田に辿りつけないから6時台出発はあり得なかった。なので、7時以降しか飛行機が飛べなかったが、第2ターミナルができて、枠がないので朝も飛ばそうとなり、最初に6時55分になった。初便のモノレールでもギリギリの時間で、浜松町にたどり着く手段がないという人も多くて厳しいとなった時に、バス会社にお願いして、主要ポイントからバスを走らせてもらった。それがうまく当たってバスがどんどん増えた。渋滞も少ないのでバスも採算が良くて、増えていった。
その後6時55分が、50分、45分とどんどん前に倒して、今は6時台は空港に多くの人がいる。定着した途端に、モノレールも京急も早い時間帯に運行するようになっていった。
我々はそれと同じことが他でもできると思っている。中部では、名鉄は朝は6時何分、夜は22時半過ぎで終わってしまうが、前後にバスから走らせることはできる。今は主にホテルを回っているが、順調に行けば市内から直接というものも出てくる。1,000円くらいの値段でアクセスできるようになれば、もっと早い時間、遅い時間に飛行機を飛ばすということもできる。そうなれば、鉄道についても同じような動きをお願いできるものではないか。((4)に続く)