操縦等に関する違い
写真左が787-8のフラップ。写真右が増設された787-9のフラップ=ANA資料より
離陸用のフラップ(高揚力装置)ポジションの増設:パイロットが離陸時に使うフラップの設定を3ポジション増やし、滑走路距離に応じてポジションを使い分け、同じ滑走路でもより多くの荷物を搭載する事が出来る様になりました。
787-8型機の0、1、5、15、20、25、30ポジションに加え、787-9では新たに10・17・18のポジションが追加されています。
HyBrid Laminar Flow Control (HLFC:ハイブリッド・ラミナー・フロー・コントロール)導入:尾翼前縁に空気が流れる構造を作り、発生する空気抵抗を0.5%程度軽減。空力的な性能が向上し1年で1機あたり約22,600kgの燃料削減効果が期待でき、地球環境にも配慮します。
尾翼の前後構造内部に燃費削減の効果が期待できる構造を取り入れた=14年8月4日 Photographer:Shigeru Nagata/Flight Liner
離陸性能が向上した787-9のランディングギアー=14年8月4日 Photographer:Shigeru Nagata/Flight Liner
ランディングギアーのEarly Doors Function(アーリー・ドアーズ・ファンクション)導入:離陸後1秒後に自動的に主脚格納庫内のドアが開き、パイロットのランディングギアーアップの操作で直ぐに主脚が収納できるようになりました。
ランディングギアーにより発生する空気抵抗をいち早く取り除き離陸性能を向上させ、同じ滑走路距離でもより多くの荷物搭載が可能となります。
以上がANAグループの客室乗務員や整備士等からの取材で確認できた787-8と787-9を見分けるポイントや違いです。2機種の違いはこのほかにも多数あり、空港や機内でANAの787に出会った時は違いを探してみるのも楽しいと思います。
エアラインファンのみならず、多くの方々に787という飛行機がより身近に感じてもらえるきっかけとなれば幸いです。
国内線仕様のANA向けボーイング787-9型機(機体番号:JA830A)=14年8月4日 Photographer:Toshio Tajiri/Flight Liner