女性の社会進出はもとより、近年、LCC(格安航空会社)や夜行高速バスなど、簡便で安価な移動手段を利用する旅行者が増えたことでリーズナブルな宿泊施設への需要が高まったことも、女性1人でも安心、安全、そして清潔に利用できるスタイリッシュなカプセルホテルが増加した一因です。

男性専用のカプセルホテルにも、そのような傾向が出てきています。

少々割高な料金設定ですが、充実したアメニティやよく考えられたインテリアは好感度が高いです。

無料わたあめ機まで設置されている施設も。

一方女性フロアと男性フロアが完全に分離されていない施設ではトラブルもあるようです。

さて、筆者は2014年1月1日から『365日365ホテル』というミッションを遂行中です。デラックスホテルからエコノミーホテル、果てやレジャーホテル(ラブホテル)まで様々なホテルを利用しています。
1月1日から6月30日までに利用した181ホテルについて全ホテルを採点したホテルガイド『365日365ホテル(上)』(マガジンハウス)にも書いていますが、カプセルホテルも33施設利用しており、これはすごい!という感動的な施設もあれば、こんなのはありえない!といった酷い施設まで様々です。

酷い代表例は、清潔感のないカプセルホテルです。
トイレが古く掃除が行き届いていない施設もありました。水回りの清潔感は重要です。

ある施設ではオーナーの趣味!?なのか汚れて変色した水槽が『飾られて』いました。

ホテル側に努力してほしいと思うこともありますが、

利用者のマナーも肝要です。

無秩序なロッカー上。

利用者のマナーが問題になっているケースもあるらしく、カプセルホテルを利用し観察を続けていると信じられない掲示に出会うことがあります。
カプセル内では禁煙、携帯電話での通話が厳禁なのは当たり前として、

「他のお客様の着替えを勝手に捨てるな」!?

「水風呂の栓を勝手に抜くな」!?
トイレのスリッパで施設内を歩き回られては困ります。

やはり製氷機にはモノを入れてはいけません。

多様化し進化をつづけるカプセルホテルもあれば、まさに旧態型といったカプセルホテルもありますが、全てがパブリックスペースともいえるカプセルホテルにおいては、利用者のマナーが特に重要視されます。全ての利用者が気持ちよく利用できるようにしたいものです。
そんなカプセルホテルですが、大都会の片隅で個人のスペースを確保できることが魅力です。そして今日も多くの利用者へ癒しを与え続けています。
文:瀧澤信秋/ホテル評論家・Hotelers編集長