「徹底的に地域にこだわる」 ソラシドエア高橋社長インタビュー

-”空恋”を始めたきっかけは?

ソラシドエア,空恋,綾ユネスコ エコパーク号

ソラシドエア本社(宮崎県宮崎市)に飾られている空恋初号機の「綾ユネスコ エコパーク号」モデルプレーン=14年7月 Photographer:Toshio Tajiri/Flight Liner

 私が社長に就任したのは2011年6月28日。その翌年4月に若手社員が中心となった『ブランド浸透委員会』を立ち上げました。
 このプロジェクトで出てきた企画の一つが、機体に自治体の名称やキャラクターをデザインして徹底的に各市町村をピーアールする『空恋 ~空で街と恋をする~』です。
 就航10周年記念事業の一環として始め、九州・沖縄の魅力ある街がいつかお客様にとって大事な街になるのではないか。そういうきっかけ作りをソラシドエアが飛行機を使ってやろうと、うちの若手社員が企画してくれました。
 
-ルフトハンザドイツ航空(DLH)がヒントに
ルフトハンザドイツ航空

空恋プロジェクトは、ルフトハンザドイツ航空からヒントを得た=14年8月 Photographer:Toshio Tajiri/Flight Liner

 空恋の機体活用プロジェクトは、ルフトハンザドイツ航空がヒントになりました。ルフトハンザは保有機の乗降口付近に各都市の名前をあしらっています。ハーメルンなら『ハーメルンにようこそ』と。
 これがヒントとなった空恋では、飛行機に乗る時から各市町村と新しい出会いが始まります。乗降口付近や機体に自治体名を描き、中に入るとCAが『この飛行機は”綾ユネスコ エコパーク号”です。綾にようこそ。』と言ったように機内アナウンスをします。各自治体をアピールするエプロンもCAが着用し、機内誌に加えて各自治体のオリジナルの紹介紙も作成し、魅力をピーアールしています。何かの記念日には各市町村がお客様にプレゼントすることもあります。
-空恋の主役は市町村
 空恋というのは、うちの若い連中が必死になって考えて、各自治体の方々もかなり知恵を出してやっていただいています。それほどみんな一緒に悩んで必死になっているから、ソラシドエアの社員と自治体の方々は同志なんです。
ソラシドエア,くまモンGO!

くまモンもソラシドエアの機体デザインとして活躍している=13年8月 Photographer:Toshio Tajiri/Flight Liner

 くまモンをデザインした飛行機(阿蘇草原再生くまモン GO!)は、わざわざ空港まで足を運んで見たいという方もいらっしゃる。飛行機があちこち日本の空を飛ぶことによって、いつかその町に興味をもって足を運んだりしてくれることもあるので、こんな素晴らしいことはないと思います。
 空恋はブランド浸透委員会の構成メンバーである若い社員が考えてくれましたが、一番大事な主役は各市町村。空恋でどういうデザインを使ってお客様にアピールするのか、機内でどういうサービスをするのか、機内誌でどんな情報をピーアールするのか。各自治体が知恵をしぼって競い合って、他の町でいいアイデアがあればそれを盗んでもいいと考えています。
 我々はそういった取り組みができる場所を提供し、市町村のアクティブな活動を応援してバックアップしていきたいのです。若手社員が考えたこのプロジェクトはとても素晴らしいと思うし、非常に手ごたえを感じています。これからはさらに旅客増や収入等の数字に結びつけていきたい。
 
-高橋社長がオススメする観光地は?
ソラシドエア,高橋洋社長

「天孫降臨ひむか共和国号」就航セレモニーで挨拶するソラシドエアの高橋洋社長=14年7月 Photographer:Toshio Tajiri/Flight Liner

 私の今のポリシーとして、何をおいてもソラシドエアが空恋で取り上げた場所は皆さんに行っていただきたいと思っています。
 空恋OBパートナーの西米良や綾なども非常に素晴らしい町ですし、どこの市町村も私は自信をもってオススメします。
 我々が主観的になっている可能性があるので、むしろ、行ってどうだったか皆さん教えていただきたいですね。

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