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ソラシドエア髙橋社長が語る、「安定飛行」の秘訣と課題
-燃料費高騰で2013年度は増収減益に
しかし、様々なコスト削減を実施したことや羽田発着の大分・鹿児島・熊本線の増便効果で全体の旅客数が増えたこともあり、最終的に営業利益ベースで何とか15億円強の利益を確保しました。
円安と燃料費増加等の影響で2013年度は増収減益でしたが、当期以降も順調にいけば最終的に黒字を確保するシナリオを描いています。とは言っても、今以上に円安が進んだりコスト増大の要因が増えればもっと努力が必要になるので、これからは一層お客様と地域に支持していただけるようブランド力を向上させ、搭乗率を上げることで実質的な利益を確保していきたいと考えています。
-増収は羽田のスロット枠を活用した増便が主な要因でしょうか?
羽田発着の熊本・大分・鹿児島線を増便した効果は、旅客増と収入増にストレートに現れています。13年3月期決算で旅客数は15%以上、収入も13%程度増えました。その中でも熊本線は一番順調です。
一方で、3往復から4往復に増やした大分線はそれほど全体のパイが増えているわけではなく、搭乗率の面では前年と比べると減少傾向にあります。これは、マーケットの規模が影響していることもあり、正直言って大分線は苦戦しています。お客様に増便したことを認知してもらうには時間が必要なので、これから旅客増に結びつける工夫を考えていかなければならない。
-大分線の搭乗率が低下しているということですが、ジェットスター・ジャパンが参入した影響でしょうか?
それに対して、ジェットスター・ジャパンの利用者数も増えています。今まで他社便を利用していた人たちがLCCを使うようになることもありますが、これらの旅客数で見ると、LCCは専ら今まで飛行機に乗らなかったような方の新規需要を創出する効果が非常にあると感じています。これは我々が就航している大分線でも明確に出ています。
-勝負はこれから
ただ、そこから先が問題です。LCCが定着するようになるとお客様は「LCCも大手もサービスや接客にそこまで変わりない」とか、「LCCが欠航した時の対応を考えると他のエアラインがいいかもしれない」など、サービスや運航面で比較するようになります。今までLCCを使っていた方が他のエアラインに移る可能性も出てきますし、その逆もあると思います。
そう考えると勝負はむしろこれからです。3年ほど経過して顔ぶれが出そろった中で、我々はお客様に支持していただけるサービスや運航品質を提供していかなければなりません。
-最後に、今度の課題をお聞かせください
九州・沖縄の魅力を一人でも多くのお客様にどうやってお伝えすればいいのか、ソラシドエアをもっと好きになってもらうにはどうすればいいのかを考えていく必要があります。
そのためには、当社のやり方をすべての社員に納得してもらって、全員のベクトルをあわせることが重要です。それぞれの社員が別々の考え方ではブランドの確立が出来ません。LCCも参入してきて色んな競争が起きていますが、そういった中で社員のパワーを一つにまとめて方向性を統一する。
『ソラシドブランド』とは何なのか?何をもって当社の企業価値とするのか明確にして、地域とお客様に愛されるエアラインを目指していきたいです。