【特集】独自の自然を擁する南国、奄美大島メディアトリップ(1日目)

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Traicyは、全日本空輸(ANA)、バニラエア、奄美大島観光協会の協力のもと開催された、メディアトリップに参加してきました。今回はこのトリップを2回に分けてお伝えしたいと思う。

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バニラエアJW821便を利用し、奄美大島に到着。(搭乗レポートはこちら

到着した我々がまずはじめに向かったのは「奄美パーク」となる。

奄美パークは、旧奄美空港跡地を再利用する形で鹿児島県が設置した公園で、敷地内に野外ステージや美術館、文化資料館などが設置されている。

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まずは、奄美の文化や自然などが展示されている「奄美の郷」へ向かいました。

奄美の郷は、奄美の美しい海、奄美大島の島の人々の暮らし、奄美大島の豊かな森をそれぞれのテーマに展示している施設で、島を観光する前に奄美大島の予習をしたいといった人にはまさにうってつけの施設。

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館内では実寸台の人形や映像装置などを駆使して、奄美の文化と自然をわかりやすく展示している。海のブースでは、奄美の雄大な海の他にも、島の人々の生活が海によって支えられている様子などが展示されていました。

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島のブースでは、島の人々の暮らしぶりを展示している。奄美大島の自然と共存してきた島の人々が食べていたものや、下ごしらえの様子、島の文化を支えた自然産品を加工する様子などが人形と解説文によって、わかりやすく展示してあります。

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森のブースは、奄美を代表すると言ってもいい豊かな大自然を実寸大で展示している。

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観光客を歓迎するハブ。

ハブはこのように獲物を狙って木に登ることもあり、実際のハブの様子に近いように展示されている。

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大変細かく作られており、奄美大島で見ることのできる貴重な生き物たちが、環境に溶け込み生活している様子を見ることができる。

また、島にしかない植物等も展示されており、これから島を巡る前にこれらを見学することによって奄美の自然をより楽しめるのではないかと思いました。

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記念撮影で大人気だという島のおじいちゃん。

ボタンを押すとお話をしてくれるようになっており、標準語のほかにも島の方言モードを備えている。お話の内容は島に伝わってきた妖怪の民話となる。

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次に我々が向かったのは奄美の郷に隣接している「田中一村記念美術館」。

田中一村は、奄美大島に魅せられ、奄美で生活をしながら絵を描いた画家。衣食住を切り詰めての生活の中で絵を描き続けた事から、不遇の天才画家とも呼ばれている。日本を代表する作品を多く排出した田中一村の作品の多くがここに収蔵されており、彼の魅せられた奄美の姿を垣間見ることができる。

残念ながら、絵画の展示してある部屋の撮影は禁止されていたため、その様子をお伝えすることはできませんが、一村が画家になってから奄美で没するまでの成長や、変化を絵画から読み取る事ができました。そしてなんと言っても一村が描く奄美大島の美しい景色にこれからの奄美巡りへの期待がどんどん高まっていきます。

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奄美パークは空港からほど近い位置にあり、奄美大島を観光する前に奄美について知るのに最適な施設なので、オススメとなる。

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奄美パークを後にした我々が次に向かったのは、「黒潮の森マングローブパーク」。

こちらでは、マングローブの生い茂る川をカヌーで巡ることができるツアーを提供しており、マングローブと川を知り尽くしたガイドが丁寧に教えてくれると人気の観光スポットとなっている。

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まずは上から見て欲しいとのことで、一行はマングローブパークの上にある展望台へ。これからカヌーで巡るマングローブ林を一望し、パノラマの景色に心を躍らせました。このときは丁度満潮に近かった事もあり、大きな川があるようにみえますが、干潮時は水が海に引き、干潟などがたくさん見られるとの事でした。

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いよいよカヌーの時間となる。カヌー初体験の筆者は、ちゃんと進めるのかとても不安でした。

ガイドさんは「すぐに慣れるよ」と言うものの、不安は残ります。出発前にはガイドさんが進み方などを簡単にレクチャーしてくださいました。

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いざ出発となる。

今回は満潮時と言うことで、水の流れは穏やかで、川幅も広くなっていました。心配であったカヌーの操縦は驚くほど簡単で、すぐに思い通りに進んだり曲がったりできるようになりました。

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早速マングローブが見えてきました。マングローブはクマツヅラ科、ハマザクロ科、ヒルギ科の3科のいずれかに属する植物がなす森林の総称で、これらの樹木は単体でマングローブと呼ばれているわけではありません。

日本では沖縄と鹿児島県の一部に自然分布しており、海水の混ざった塩水の中でも腐ることがない事で有名となる。干潟には多くの有機物が集まっており、マングローブ植物の特徴的な地上に飛び出した根が棲み家となることから、様々な生き物たちの憩いの場となっている。

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マングローブは波の強い場所では生育する事ができないこともあり、カヌーのルートはとても穏やかでした。波があると操縦が難しくなるカヌーですが、ここでは全く問題ありません。

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時間は夕方ということもあり、ほどよく吹き抜ける風が涼しく、とても快適となる。カヌーは操縦にそれほど大きな力を必要としていないため、爽やかな風を受けながらのんびりと進むことができました。

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しばらく進むと、マングローブがトンネル状になっている、今回のルートの目玉スポットに到着した。

このエリアに入れるのは潮が満ちている時だけと言うことで、マングローブ林の根が満ちた潮によって隠れているのが分かります。

生き物たちの憩いの場であるマングローブですが、多くの生き物たちは少し目を凝らさないと見つけることができない。干潮時には干潟の上を歩いているカニやハゼを見ることができますが、満潮時にはまた別の種類のカニなどを見つけることができる。

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ガイドさんが木登り名人だと説明していたカニ。

しっかりと観察していると、こういった小さな生き物たちをたくさん確認する事ができました。

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マングローブの大自然を間近で堪能した一行が次に向かったのは、マングローブパークから程近い「マングローブ喫茶」となる。こちらでは、マングローブを擁するこの地域で取れた新鮮な食材をいただくことができる。

テナガエビや貝類はもちろんのこと、ウナギは昨今では大変貴重になってきた天然ウナギで、こちらの川で取れたものを、この地域の伝統的な食べ方である味噌煮でいただきました。

どの食材もその新鮮さもあってかとてもおいしく、目だけでなく口でも楽しませてくれる奄美大島のマングローブ林に感謝しながらの食事となりました。

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お腹も満たされた我々が次に向かったのはホテル…ではなく、ナイトツアーとなる。

奄美大島は夜こそ楽しいとおっしゃるベテランガイドさんと一緒に、奄美の森を奥深くまで進みます。

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奄美大島の生き物たちの中でも、夜しか行動しない夜行性の生き物たちや、夜になると見やすい位置で休んでいる鳥たちを見ることができる。

こちらは奄美大島にしか生息しないというアマミノクロウサギ。夜行性で夜にしか見ることができない他、奄美大島以外の地域には分布していない大変貴重なウサギとなる。車の音で逃げてしまうウサギの撮影はなかなか難しかったのですが、このほかにも何度か遭遇することができました。

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こちらは電線の上で寝ていたリュウキュウアカショウビン。森林に住むカワセミの仲間で、美しい青紫色の背中が特徴となる。

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ちょっとわかりにくくなってしまいましたが、リュウキュウコノハズク。

自動販売機の上の電線に留まっており、自動販売機の蛍光灯に寄ってくる大きな虫を捕まえているそう。日本の奄美大島以南の島から台湾、フィリピンにも生息している。

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こちらは、サガリバナ。

この植物の花はなんと夜にしか開花せず、朝になると落ちてしまうそうとなる。川辺にも多く分布していることから、朝方に川面に浮かぶ落ちたサガリバナの花をカヌーで観察するツアーも人気だと言うことでした。その幻想的な姿と、夜にしか咲かないという神秘的な花に感動し、しばらくその場で眺めていました。

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ナイトツアーを終えた一行はホテルへ。島唯一のコンビニだというエブリワンで夜食と黒糖を購入し、部屋へと向かいる。

こうして、内容がたくさん詰まった奄美大島での1日が終わりました。(つづく)