エアバス、A350-900のETOPS認可取得 A330と同等の成熟度に

エアバスA350-900

エアバスA350-900、欧州航空安全庁(EASA)から最大370分のETOPSの取得を取得 資料提供:Airbus

 エアバスはこのほど、A350-900が欧州航空安全庁(EASA)より180分超のETOPSの認可を取得したと発表しました。初号機の就航前にこのレベルのETOPSが承認されたのはA350 XWBが初めて。これによりA350 XWBを運航する航空会社は、双発機の中で最も効率的で確実な直線の長距離路線を飛行することができるようになります。

 基本仕様で180分のETOPSを含んだ今回の認可は航空会社の選択に応じて300分のETOPS、370分のETOPSも可能となるもの。代替となる空港までの距離を最大2,500海里(4,630キロ)まで延ばすことが出来ます。通常の環境下でエンジンが1基不作動になった状態の飛行速度として、この距離を時間にすると代替空港まで最大で約370分の地域を飛行することが出来ます。

 今回のETOPS認可によって、運航会社は180分のETOPS規定では飛行できなかった新しいより直線的な航路を飛行することが可能となり、370分のETOPSではオーストラリア、南アフリカ、南米間といった新しい路線の運航も視野に入れることが出来ます。一方で300分のETOPSでは東南アジアから米国、オーストラレーシアから米国といった北・中央太平洋上を飛行する、より効率的な大洋横断路線が運航できます。

エアバスA350-900

年内の初号機引き渡しを目指しているA350 XWB 資料提供:Airbus

 既存の路線(最大180分のETOPS)を飛行している運航会社は、より直線的で燃費効率の良い航路を利用することができ、飛行時間を短縮すると共に代替空港の選択肢も増えます。

 A350 XWBが商業運航開始前に今回のETOPS認可を受けたことは、機体の設計やシステムの成熟度が認められた証であり、すでにETOPS実績のあるA330と同等の成熟度であることが実証されました。

 今後エアバスは、米連邦航空局(FAA)による認可も取得します。