乗って納得 エアバスが見せた最先端技術-A350体験搭乗

客室
 A350 XWBの特長の一つがゆとりある客室空間。機内右から左までの客室幅は5.61メートルあり、これは競合するボーイング787型機よりも広いスペースを確保しています。

エアバスA350-900,エコノミークラス

3-3-3配列のA350-900エコノミークラス © Toshio Tajiri/Flight Liner=14年11月

 試験飛行5号機のキャビン内はビジネスクラス42席、エコノミークラス223席の合計265席仕様。この座席数は試験機向けであり、A350-900の標準仕様は3クラス制で315席の搭載が可能です。

 ビジネスクラスは1列4席仕様のEADS ソジェルマ製シートで、シートピッチは109.2センチ~111.8センチ。フルフラット状態で約188センチ。肘掛~肘掛までの広さは約53.3センチです。

 エコノミークラスは3-3-3配列のゾディアック製「Zodiac US Z300」(108席)とレカロ製「Recaro CL3620」(115席)の2種類のシートが搭載されています。シーチピッチはゾディアック製が81.3~86.4センチ、レカロ製が83.8~86.4センチ。シート幅は45.7センチと、エコノミークラスでも妥協なき快適性を追求しています。

A350 XWB機内のLED照明

LED照明は1670万色の豊富なバリエーションから選べる © Toshio Tajiri/Flight Liner=14年11月

 このほか、A350 XWBは座席の配線ケーブル等を床下へ敷いたことで、足元のスペースがさらに広がりました。

 機内の照明はすべてLEDライトを採用しています。ブルーやグリーン、イエローなど単色に限らず、全日空(ANA)の787(機体番号JA801AとJA802Aに搭載)で話題となったレインボー照明による演出も可能です。

 選択可能なカラーは1670万色もあり、旅の疲れや時差ぼけ軽減、エアラインの効果的なブランディングを行う上で無限のシナリオを提供します。また、大きなパノラマ窓により、機内も明るく開放的な印象を受けました。

A350 XWBの収納スペース

収納棚は最大で5つのスーツケースが収納できる設定になっている © Toshio Tajiri/Flight Liner=14年11月

 頭上の収納スペースは想像以上に広く、すべてのクラスで乗客一人が一つ以上のキャスター付きキャリーバッグを収納することができます。両端の手荷物棚は5つのスーツケースが、中央手荷物棚は3つのスーツケースと2つの中規模バッグが収納できるスペースを確保しています。

 フライト中の楽しみといえば機内エンターテイメント。A350 XWBには全クラスに第4世代の最先端システムが取り入れられており、高い品質の映像を提供すると同時に、飛行ルートや音楽・映画など様々なエンターテイメントを完備します。

A350 XWB機内エンターテイメントシステム

モニターでは垂直尾翼からの機外の風景も楽しむことが出来る © Toshio Tajiri/Flight Liner=14年11月

 コントローラーはスマートフォンの形状に似たものが付いていました。

 このほか、垂直尾翼からの映像とランディングギア付近の映像も見ることができ、これまで見る機会のなかった機外の風景をモニターで楽しむことが出来ます。このサービスはオプションのため、航空会社の判断によって搭載されます。

 今回日本を訪れたA350 XWB試験5号機の機体後方エコノミークラスには飛行テスト機器やコックピットの映像モニター等が搭載されていました。

 エアバスのスタッフが各機器で飛行時におけるプログラム実行状況等のデータを同時解析し、これら各情報はフランス・トゥールーズのエアバス本社にデータ送信され、今後詳細に解析されます。

A350-900飛行テスト機器

機内方向エコノミークラスに搭載された飛行テスト機器。各情報はエアバス本社にデータ送信される © Toshio Tajiri/Flight Liner=14年11月

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