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エクスペディア「IT・モバイルテクノロジー新戦略」記者発表会 全文書き起こし(中編)
エクスペディアは、「IT・モバイルテクノロジー新戦略」の記者発表会を、11月13日、都内で開催した。
アジア地域CEOのキャスリーン・タン氏、アジア地域最高事業責任者のビクナム・マルヒ氏、北アジアマーケティングディレクターの木村奈津子氏が登壇し、エクスペディアのサービスについてのプレゼンを行った。
Traicyでは、登壇した3名のプレゼンを全文書き起こし、前中後編の3回シリーズでお送りする。第2回目は、ビクナム・マルヒ氏のプレゼンをお伝えする。(前編はこちら)
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まずは2、3についてお話したいと思う。アジアの旅行業界について、そして日本についてみていきたいと思う。
この表を見ていたくと、4年前までアジア・パシフィックエリアはヨーロッパやアメリカに比べて非常に小さい割合でしたが、この数年でこれだけ大きくなってきた。アメリカ・ヨーロッパを超えている数値というのがこの表でわかるかと思う。このアジア・パシフィックのうちの4分の1が日本の市場が占めておりまして、どれだけ日本が大きな割合を占めているかというのが、この表でおわかりになられるかと思う。これは我々にとってどういう意味を持つかといいますと、エクスペディアにとってアジアのマーケットの規模が大きくなっているということは、我々の存在価値をより強く示していくということになる。
我々、エクスペディアは世界最大のオンライン総合旅行会社であるということをご説明させていただきたいと思う。
まず我々が最大と申し上げる基準のひとつとして挙げられるのは、在庫数であります。世界中において、航空会社とは400社以上、ホテルに関しては325,000軒以上あります。我々と一緒にやってる仲間、取引先も来て頂いているかと思いますが、非常に重要なことだと思う。この場を借りて御礼申し上げます。
在庫数の多さが、結局何に繋がっていくかということになりますと、旅行取り扱い総額の大きさになってきます。こちらにあります通り、年間5.2兆円規模になってきている。この数字はちょっとわかりにくいので、皆さんの身近な数値に置き換えますと、実に1分あたり1000万円の取り扱い総額ということになるわけとなる。これは世界中を見ましても、非常に大きな数となっております。日本の他社と比較させていただきましたが、見ていただきますとおり、JTBさんが1.5兆円ということに比べましても、その3倍の5.2兆円規模であります。在庫数とスケールの大きさというものは、全てテクノロジーに裏付けされているものであり、これがあるからこそ、このエクスペディアの日本での存在が大きくなっているわけとなる。
2013年の日本の旅行市場は減速してまいりましたが、その年ですら、エクスペディアではプラス35%の予約件数を占めている。つまり、これは何によって行われているのかというと、再三繰り返させていただいていますが、テクノロジーによるものであります。ですからこそ、エクスペディアもテクノロジーが旅行を変える、これが我々が目標としているものであります。
このテクノロジーがエクスペディアにとって中核であると考えておりますので、テクノロジーへの投資額は、昨年は約540億円にのぼりました。世界中の企業を見渡しても非常に大きな額であります。
テクノロジーがあるあるとどんな企業もおっしゃていますが、我々と何が違うかという点なのですが、我々は将来を見越してテクノロジーの重要性に気付いていたというところが異なってまいります。
ご覧頂きますように、モバイルというのは非常に重要なツールになっている。日本におきましても、検索数を見ていきますと、65%がモバイルによって行われている。実はこのトレンドに関して、エクスペディアは4年前から察知しておりまして、ここに対して投資を行ってきたわけとなる。
2010年、2011年にこういった傾向が見られるということで、そこから我々は、モバイル先端企業のmobiata(モビアタ)を買収したわけとなる。
mobiata(モビアタ)は、その頃は旅行関係のアプリを中心に事業を行っていた企業となる。Flight Track(フライトトラック)というアプリはiOSで1位を占めていました。これは非常に美しい、ユーザーインターフェースに基づいたアプリでしたが、以前アップルで仕事をしていたエンジニアによって作成されたものであります。
我々は、プラットフォームの3つの柱を持って取り組んで参りました。
2〜3年前、全ての取引は単一のデバイスによって行われていました。ここ数年に関しては、マルチデバイス化が進みまして、世界中でスマートフォン、タブレット、パソコンという2、3違うサイズのスクリーンを手元に持って活用している。マルチデバイスの傾向を掴みまして、我々は自分たちのテクノロジーを用いてこれに対応する施策をとってきました。それについては後ほどご説明させていただきます。
2〜3年前、旅行会社ではオンラインで行うことは予約のみとなっていました。そして我々がとっている、今現在の施策は、予約だけではなく旅行管理までできるもの、携帯できるものという考えを進めております。
これは第3の柱になるんですが、2〜3年前は、どのサイトを見ましても、単一の情報しか見られなかったが、今日、個別のお客様に合った最適化された情報移行している。これについても後ほどご説明させていただきます。
先ほど申し上げましたとおり、デバイスが多様化するにあたって、昔はパソコンのスクリーンのみで見ていたものが、スクリーンも違いますし、またその大きさも違うというように、こちらも多様化してまいりました。
また、その多様化というのは、時間帯によって何を使うかも変わってきまして、家でテレビを観ながらタブレットを見て、どこに行こうかと旅行の情報を集める。次の日に、会社のパソコンで予約する、まさに昨夜見ていた画面を見て予約する。そういった動きになっている。つまり、こういった2ヶ所で行動を起こす、そして違うデバイスを使うということは、タブレットで見た情報が次の日にパソコンで同じ情報を見られなければ2度手間になるということとなる。そして、エクスペディアが提供するサービスは、タブレットで昨夜見ていた内容と同じものを、パソコンで見ることが出来るというものとなる。
ここでまた重要になってきますのは、デバイスやスクリーンのサイズが異なっても同じ体験ができる、同じものが見られるということとなる。
我々はこれについては非常に重視しており、それぞれデバイスに対しての、画面のサイズが違うということに対応するための投資をかなり大きくしてきました。
これからお見せするのは、パソコンで見ていた画面がどういうふうに見えるか。そこから画面が小さくなっていった場合、どのように画面が変わっていくかをお見せしたいと思う。
これがウェブサイト画面(写真上の左)となる。だんだん画面が小さくなっていきます。そうすると、だんだんモジュール自体が小さくなっていきます。サイズが小さくなりましても情報は変わりません。情報が変わるのは、モバイルのサイズ(写真上の右)に変わったから画面が変わっただけとなる。ですから、今はタブレットのサイズ(写真上の中央)に戻って参りましたので、画面のサイズを変えましても、そこにある情報は全くかわりません。これはテクノロジーを重視する企業にとっては、非常に重要なことであります。
先ほど申し上げました通り、皆さんが検索する際と予約する際に違うデバイスを使っていきます。それはいろんな画面に対応して多様化されているわけとなる。この場合ですと、検索の時にパソコン、予約の時にタブレット、旅行の時にはモバイルを使うといった、いろんな相互使用が行われている。
ですから、我々はモバイルを持って旅に出るということを想定していますので、もう一つご提供するサービスは、例えば出発2時間前に、モバイルに出発ゲートの情報をお伝えするということができる。その後は、現地に到着した後に、荷物がどこに着くのか、ターンテーブルの情報も共有できる。ご覧頂きますように、我々は予約をするというだけのオンラインサービスではなく、旅行の友という形で、旅行中もご一緒できるサービスをご提供する。
数年前はみなさんがひとつのサイトを見ますと、そのサイトはどの相手も同じ画面でした。我々はヒジュにデータを多く持っておりますので、お客様がどういった趣向がよくわかります。ですから、個別に最適情報をご提供するという形になるのとなる。
2005年、Googleは1年間に200TBのデータを持っていました。現在、実はエクスペディアに関して言いますと、1日あたり600TBのデータを見ている。実にGoogleの数値の3倍、単位は年ではなく1日あたりであります。つまり、我々は10億のサーチが1年間にあるんですけれども、1分あたり1万件のアクセスがある状態にあります。こういったことは小さい企業ではできないわけとなる。我々のようなグローバルな企業だからこそ、この50億の検索を引き出し、情報を蓄積、分析することができるのとなる。
我々の目標は、シームレスな体験をしていただきたい。どんなデバイス、テクノロジーを使っているかによらず、同じ体験をしていただきたいというのが我々の意図であります。
個別最適情報の提示の方法をご紹介したいのですけれども、先ほど、モバイルで検索された内容が、パソコンでも同じように共有され、スクラッチパッドに検索された履歴が残っているのとなる。
もう一つおもしろいのは、スクラッチパッドにフライトの気になる物を履歴として残していた場合に、もし価格が変わりますと、変わった金額をご提示することができる。高くなりましたら高く表示しますし、安くなりましたらそれを表示する。そういった機能があります。
旅行を計画するのは非常に大変な作業ですし、どういったフライトとホテルを組み合わせるのかは大変な作業でありますので、最新の情報を適正な形で提供することを心がけております。
もう一つの機能としましては、例えばバンコクでホテルをお探しになっているということがこちらでわかりますと、いままで蓄積してきた他のお客様のバンコクのホテルの情報を合わせて、そのお客様にあった個別のホテルをご提案するという機能もあります。
こういった個別最適情報をご提供するのは、我々の企業がスケールが大きいからであります。そうでなければこれだけのデータが集まりませんし、消費者の動向のデータ分析が行われないからであります。
長くなりましたので、私のスピーチを覚えていらっしゃらないかと思いますが、一番重要なポイントというのは、我々は旅行会社でもテクノロジーの会社でもない、旅行を変えていくテクノロジーを持った会社である、テクノロジーが旅行を変える、これこそが我々のゴールであります。
(後編に続く)