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東京大学が決勝進出 エアバスの斬新なアイディアコンテストで
エアバスは、世界中の大学生を対象に未来の航空輸送を描く斬新なアイディアを募集するコンテスト「Fly Your Ideas」(FYI)の最終ラウンドに、東京大学の「BIRDPORT」チームが進出したと発表した。
世界中から500以上ものアイディア応募があり、その中で東京大学のBIRDPORTチームを含む5チームが最終ラウンドに選出され、優勝を目指してアイディアを競い合う。
日本人4人とタイ人1人の5名から成る、東京大学「BIRDPORTチーム」は、ドローン(無人航空機)を活用して空港から鳥を人口営巣地に誘導するというアイディア。引き離し、整列、結合というルールを利用して鳥の群れを人口営巣地「Birdport(バードポート)」へ誘導する。バードポートでは、鳥の鳴き声とデコイ(おとり用の鳥)によってその地域の鳥にとって自然で安全な営巣地が作られており、航空機のバードストライクを大幅に低減し、航空機の運用を高めることができる。
オランダ・デルフト工科大学の「MULTIFUNチーム」は、翼の固有振動や伸縮からエネルギーを取り入れることのできる複合材の外板を航空機の翼に取り付けるアイディア。圧電ファイバが飛行中のわずかな動きからも電荷を集め、胴体に組み込まれたバッテリーパネルで生成されたエネルギーを蓄え、そのエネルギーを照明や娯楽システムといった機内システムに使用する。これは飛行中の航空機のエネルギー消費を削減し、地上運用時の電源全体に取って代わることも可能。
中国・西北工業大学の「AFT-BURNER-REVERSERチーム」は。ゲーム機のモーションセンサー技術を、地上走行中に使用する航空機誘導システムに応用するアイディア。赤外線と視覚情報を用い、パイロットと地上作業員に危険な障害物に対する警告を行うことで、航空機のターンアラウンド時間を短縮し、修理費用を削減。年間で数百万もの費用を節減することができる。
ブラジルのサン・パウロ大学「RETROLLEYチーム」は、機内で出るごみを削減し、フライト後のごみ収集と分別にかかる時間を短縮するアイディア。特に短距離航空会社の業務スピードを促進することが目的としており、特注ワゴンを使用し、アルミホイル、紙、プラスチックの量を最小限に抑え、飲料の残りを集めることで、ごみ分別とリサイクルを効率的に行う。これにより、ギャレー設備の重さが最大30キロ軽くなり、燃費を削減、機内スペースをより広く確保できる。
イギリス・シティ大学ロンドン「BOLLEBOOSチーム」は、「WEGO」システムを利用して地上走行中にエネルギー集めるアイディア。滑走路の航空機の真下に「トランスミッター」を設置し、電力を機体前輪の間に取り付ける受信機に誘導させる。これにより、地上運用に必要なエネルギーを供給し、二酸化炭素排出量を半分に削減することができる。
「Fly Your Ideas 2015」は、2年おきに開催し、今回で第4回目。世界104カ国から518チーム、3,700名が参加。第2ラウンドには48カ国の413名が進出した。
最終ラウンドは5月27日にドイツのハンブルクで行われ、最優秀チームには賞金3万ユーロが、2位のチームには1万5,000ユーロが贈呈される。