
アメリカン航空とCBP、国際遠隔手荷物検査を提供 国際線でアメリカ到着後に荷物の預け直し不要に
-コンタクトセンターにはどんな電話がかかってきますか?
電話応対のほか、現在はオペレーターのフォローや教育にも携わっている田仲さん © Toshio Tajiri/Flight Liner=15年5月
最近は、特典航空券の交換・空席状況確認などの問い合わせ内容が多いと感じます。電話は朝と夕方が比較的込みやすいのですが、東京・大阪・福岡・札幌、計4拠点の空いている回線に入電が割り振られるなど、これまでの状況を分析して電話が混まないよう工夫しています。
-田仲さんの一日の仕事の流れを教えてください
天王洲本社にある東京予約センター。全国4拠点あわせて1日平均約1万2000件の問合せがかかってくる © Toshio Tajiri/Flight Liner=15年5月
その日のよって仕事内容がかわり、今ではお客さま対応以外に教官とSV(スーパーバイザー)業務という役割もいただいています。
-教官とSV業務とは?
教官はオペレーターのスキルに応じた研修・教育を行い、入門と基礎1~3の全4回で構成されています。はじめの入門は、敬語や応対用語、ビジネスマナーを学ぶ目的を中心に、敬語やクッション言葉などの練習問題。入社3か月後から1年以内に行う基礎1~3では、お客さまに寄り添った言葉遣いやマニュアル的ではない心からの言葉などを学んで、応対品質の向上を目指します。
SV業務はお客さま応対を行うオペレーターのフォロー全般です。オペレーターの質問を受けたり、オペレーターが行った応対内容や予約処理に間違いがないか等のチェックも行っています。
オペレーターの予約記録を二重にチェックするのは、JALをご利用いただくお客さまに迷惑をかけないためです。処理や案内事項に少しでも不安があれば、些細なことでもチェックする体制を整えています。
-電話応対のコツってありますか?
オペレーターは2台のパソコンを使い、的確な情報を利用者に伝える © Toshio Tajiri/Flight Liner=15年5月
私はこれまでの経験で、お客さまが話し始めた入電直後に「きっとこうして欲しいんだろうな」と感じることがあります。様々なことをお話しされる中で、私が直感的に感じたことが、本当にそうしたいのか確認して初めてわかることもあるし、お客さまから発せられる言葉や声のトーンからもお客さまの状況を把握することができます。
-話しは『聴く』。『聞く』ではNG
私たちが応対するときは、『聞く』ではなく、『聴く』姿勢が大事です。
会話は心で話を受け止める「聴く」姿勢が大事と語る田仲さん © Toshio Tajiri/Flight Liner=15年5月
電話口からは色んな情報が伝わってくるんです。今どういう状況・場所でお電話されているのか、お客さまから発せられる言葉や声のトーン、電話から聞こえてくる生活音など。
お話している時にいきなり赤ちゃんが泣いてしまったら、「お時間を空けて折り返しましょうか?」と提案してお客さまを気遣うことも大事です。
お客さまのご希望と、どういう状況で電話してくださっているのかしっかり聴いて、お客さまの心を掴む。「理解をするためには、まずは聴くことから始めましょう。心でお話を聴きましょう」と、みんなにも伝えています。
-他の企業でも使えるような第一印象をよくするコツはありますか?
色々ありますが、一つは声のトーンですね。電話がかかってきた直後の挨拶で、「お電話ありがとうございます。担当タナカです。」と言う場合、抑揚が上がり口調で終わると安っぽいイメージになってしまう。
社内各所にスローガンを掲げ、全社一丸となって世界最高のコンタクトセンターを目指している © Toshio Tajiri/Flight Liner=15年5月
国内部に在籍していた時は、短い時間の中でいかにお客さまに安心していただけるか、「JALに電話してよかった」と思っていただけるような応対を本当に大切にしてほしいと、すごく言われていました。時には先輩に呼び出されて、レコーダーを使った練習をしたこともありました。その経験をこれからもみんなに伝えていきたいですね。
-人が好き、JALが好き
マニュアルでは、基本は「こうしましょう」とありますが、実際に現場で働いているみんなは心から湧き出る思いや言葉を大切にしています。
JALのオペレーターには人が好き、JALが好きというスタッフや、お客さまに喜んでもらいたいと心から思う人が多い傾向にあります。マニュアルは当然ありますが、顔の見えない会話で、お客さまの気持ちをくみ取っている。応対に慣れてお客さまとの距離感が縮まると、心から自然と湧き出る思いが言葉になって、お客さまのご状況に合う寄り添った言葉が出てくるようになると思います。