東横イン、東横INN津田沼駅北口を閉店
ロボットが対応する「変なホテル」、報道陣に公開 車付きドローンやポーターロボットなどの技術も披露
ハウステンボスは、7月17日に開業する「変なホテル」第1期棟を報道陣に公開した。
第1期棟は地上2階建て3棟で、客室数は72室。2人用の「スタンダードタイプ」20室、4人用の「スーペリアタイム」40室と「デラックスタイプ」12室を備える。軽量鉄骨造で、東京大学生産技術研究所川添研究室が設計・監修を行った。
玄関を入ると、大きなロボットクロークがお出迎え。宿泊者専用でロボットアームに対応したロッカーで荷物を預かる。機内持ち込みサイズの手荷物が収納でき、ロッカー数は30個。料金は500円で0時を過ぎると課金される。
チェックインはロボット3台が対応。ロボット型、人間型、恐竜型の3台とその横に精算機、顔認証の登録装置を設置した。顔認証は登録をしたくない場合は登録を行う必要ない。登録した場合、部屋のドア横にある認証装置で自動的に鍵が開く仕組みとなっている。
チェックイン時間は午後3時、チェックアウト時間は午前11時。アーリーチェックインやレイトチェックアウトの対応は行わない。午後11時以降はエントランスが施錠される。
部屋へは、荷物を運ぶポーターロボットが案内。宿泊者自身が荷物を載せ、チェーンを締めると自動的に発進する。部屋前で停止し、荷物を取り出してチェーンを締めると自動的にフロント横に戻る仕組みとなっている。
料金は、時期ごとに定められた「ボトム(A)」「ミドル(B)」「トップ(C)」の3種類の料金設定の中から、オークション形式で宿泊者自身が1,000円単位で入札する。
「ボトム(A)」朝食付きでは、シングルは9,000円から12,000円、ツインは13,000円から16,000円、トリプルは17,000円から20,000円。スーペリアルームは2,000円、デラックスルームは4,000円増しとなる。添い寝は1ベッドにつき小学校6年生までの1名が可能。いずれもサービス料込み、税別。
ベッドはシモンズ製。シャンプー、リンス、ボディソープ、バスタオル、フェイスタオル、歯ブラシ、綿棒、ヘアブラシ、スリッパのアメニティを暫定的に備える。パジャマは有料で、自動販売機で300円で貸し出す。備品としてタブレット、ドライヤー、電気ケトル、マグカップを用意する。テレビはデラックスルーム以外は用意されないものの、全室に設置されたタブレットで視聴できる。冷蔵庫は設置されない。全館禁煙となる。
客室に設置されたロボット「ちゅーりーちゃん」は、モーニングコールや照明の操作などを話しかけるだけで行うことができる。今後は対応できる言葉を増やしていく。
客室の清掃は、連泊の場合はベッドメイクや客室清掃は行わない。7泊以上の長期滞在の場合、いずれも週1回行う。バスタオル、フェイスタオル、バスマット、アメニティの交換は毎日行う。有料で清掃のオプションも用意されており、清掃とベッドメイクを行う場合は1,500円、ベッドメイクのみは1,000円、タオルの交換は500円、タオルの追加は300円。添い寝の子供の分は無料で追加する。
朝食は「健康レストラン AURA(オーラ)」で、レストランにある栽培機で栽培された野菜を使ったサラダなどを提供する。大人2,160円、小人1,200円、幼児1,000円。夕食なども提供する。
スタッフは24時間常駐し、ホテル内をカメラで確認する。
ハウステンボスの澤田秀雄社長は会見後の囲み取材で、1号店は愛知県蒲郡市のラグーナテンボス、2号店は海外に建設を行い、10年後にも最低でも数百店舗、できれば1,000店舗を目指したいと今後の展望を明らかにした。
澤田氏は、「大したことがないホテルの値段がどんどん上がっている。5つ星でもビジネスホテルでもない3つ星、4つ星のある程度いいホテルが安く泊まれれば良い。観光ホテルはロボットでいけるかなというテスト。」と述べ、研究開発中の自走式の乗り物や車付きのドローンなどを披露した。
発表会見中に飛来したドローンは、着陸後にラジコンカーが切り離され、澤田氏の方向に向けて走行。車の中に入っていたナッツが報道陣に振る舞われた。澤田氏は、「ハウステンボスは私有地で午後10時から午前8時まで人がいないのでドローンの研究開発に良い。日本一の研究開発ができる。将来的にはルームサービスや物流、チェックなどで活かすことを検討する。」とした。
このように、ロボットを活用することで、ホテル運営で大きなコストとなる人件費は従来比で約3分の1から4分の1程度に圧縮できる見込みで、オープン当初は十数人からスタートするものの、徐々に減らしていく計画。しかしながら、「水回りの掃除やベッドメイクはロボットではできない。セキュリティの人員は必要。(澤田氏)」と、一定数の人間が必要との見方を示した。
ロボットの活用について、「ロボットが手助けをする時代が来る」と先を見据えて、人口減少によるサービス産業人口の縮小に対応できるようにする。今後はロボットや0号店の平面型とは異なるタワー型のホテル、全自動のイールドコントロール、太陽光発電システムの研究開発を行う。
第2期棟は2016年2月末にも竣工し、3月にもオープンする計画。