2015年に過去最高の引き渡し機数を記録したエアバス © Toshio Tajiri/Flight Liner=14年11月
エアバスはフランス現地時間1月12日、2015年度(1月-12月)の業績を発表しました。期間中は85社(うち10社は新規顧客)へ635機を引き渡し、目標を上回る過去最高の引き渡し機数を記録しています。
顧客に引き渡された機種の内訳は、A320ファミリーが491機、A330が103機、A380が27機、A350 XWBが14機。工場新設等で2015年度の引き渡し数は2014年の記録629機を上回り、13年間連続で年間引き渡し機数が増加しています。
受注機数では、53社(うち8社が新規顧客)から1,036機の純受注を獲得しました。内訳は単通路型機が897機、ワイドボディ機が139機。2015年12月末時点のエアバス機の受注残数は航空史上最大の6,787機にのぼります。これは金額にするとカタログ価格で9,963億米ドルです。
エアバスA320neo初号機 資料提供:Airbus
2015年度はエアバスにとって様々な成果を生み出した年になりました。たとえば、A320neoはローンチからわずか5年で型式証明を取得しました。A350は14機の引き渡しを行い、世界で最も効率的で最先端の航空機を運用することの利点を航空会社へ提供しています。
また、A350プログラムも重要な進展を見せ、同機最大サイズとなるA350-1000の主要部品が各地の製造工場で開始されたほか、A330neo初号機もエンジンパイロンや中央翼部品の製造が開始されています。A380は初飛行から10周年を迎え、プログラムの損益分岐点に達しました。
モビール工場製初号機のジェットブルー向けA321ceo 資料提供:Airbus
米国アラバマ州モビールに建設されたA320ファミリーの最終組立工場が稼動したことも2015年度における功績です。
この最終組立工場では2018年までに年間40機から50機の生産を予定しています。中国ではA330に対する追加受注があっただけでなく、天津へのA330コンプリーション&デリバリー・センターの設置が決まりました。
さらに、エアバスは2015年に新たに大西洋横断運航が可能なA321neo長距離型、3,000海里の距離を最大400人乗せて飛行するA330リージョナル型、19時間飛行が可能なA350-900の超長距離型の3つの派生型もローンチしました。