セントレア新施設に787初号機「ZA001」展示 2017年下期開業へ

787飛行試験初号機,:N787BA,ZA001

ボーイングがセントレアに寄贈した787飛行試験初号機(機体番号:N787BA・ZA001号機) © Toshio Tajiri/Flight Liner=15年7月

 中部国際空港 セントレアは、ボーイングから昨年譲り受けた787ドリームライナー飛行試験初号機「ZA001・機体番号:N787BA」の屋内展示を核とした、複合商業施設を整備すると発表しました。

 展示エリアでは、歴史的価値のある787飛行試験初号機を屋内展示するとともに、教育的コンテンツも併設することで、若年層の航空への興味を喚起し、次世代を担う人材育成に資する等、地域への貢献にも繋げていく考えです。商業エリアでは、シアトルを中心としたアメリカの雰囲気を演出し、魅力的な飲食、物販店舗の展開を検討しています。

 建設予定地は中部国際空港の南側立体駐車場近接地。施設規模は4月現在で未定ですが、ZA001号機が屋内展示可能なスペースを確保した複合商業施設を展開予定としています。開業は2017年度下期を予定しています。

中部国際空港,787飛行試験初号機

787飛行試験初号機が展示されたセントレアの新複合商業施設イメージ 資料提供:中部国際空港

 機体の35%が中部地域で製造されている787は、大型貨物機「ドリームリフター」にて、ボーイングの米国内最終組立工場に輸送されており、その飛行試験初号機であるZA001号機は2015年6月、最後のフライトで中部地域に里帰りし、ボーイングから中部国際空港に寄贈されました。

 ボーイング787-8の初号機、2号機「ZA002・N787EX」、3号機「ZA003・N787BX」はすべて寄贈されており、ANAカラーの2号機はアリゾナ州ピマ航空博物館、3号機はシアトルのミュージアム・オブ・フライトが譲り受けています。

■ボーイング787ドリームライナー「ZA001」
客室仕様:テスト飛行仕様
初飛行:2009年12月15日
最終飛行:2015年6月22日
最終到着地:中部国際空港
テスト飛行時間:計1,363時間
テスト回数:525回以上
地上試験:計1,464時間
エンジン:ロールスロイストレント1000
試験項目:耐空性・フラッター・システム及び低速性能・安定性とコントロール・フライトコントロール等を含む航空力学機能