首都圏空港問題、国民の意識変化が重要に【チャーリィ古庄の航空時事評論】

HND

首都圏の空港はアジアの国と比べて遅れをとっている。もちろんアメリカやヨーロッパの大都市と比べてもそうだ。

まず羽田・成田の両空港は滑走路の本数が少ない、アジアだけを見ても韓国・ソウルの仁川国際空港は現状滑走路3本、既に滑走路やターミナルを5本に増やせるスペースも確保済み。上海の浦東国際空港は現在滑走路4本を運用中で5本目の滑走路も関連施設も供用できるスペースがあるほか、香港国際空港は滑走路2本でターミナルは増設用地もあり、埋め立てて滑走路をもう1本増やす計画もある。シンガポール・チャンギ国際空港は現状滑走路2本だが2020年に向けて第3滑走路と第5ターミナルを建設中。他にもクアラルンプール、北京第二空港、中国の地方空港など書ききれない空港が24時間運用をしているか、巨大な空港設備が整っている、もしくは増設する滑走路建設が行われていたり、ターミナルの増設スペースをすでに確保している。

滑走路の本数だけを見れば「羽田空港は既に4本もあるだろう」という声が聞こえてきそうだが、他のほとんどの都市が平行滑走路で運用しているのに対して羽田の滑走路は”#”の形をしているため、平行滑走路4本よりも発着回数は減ってしまう。また諸外国の大空港は10年~20年先を見据えて需要が増えればターミナルや滑走路を増設できるスペースを確保して空港建設が行われているが、首都圏の空港はそれができていない。これは空港会社や関係省庁だけの責任ではなく、余裕を持った作りをしていると「まだ将来どうなるか分からない事に無駄な税金を投入して」という国民感情も発生するのも問題である。

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