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首都圏空港問題、国民の意識変化が重要に【チャーリィ古庄の航空時事評論】
成田空港は第1、第2ターミナルの位置が離れているのは仕方がないが、第3ターミナルは空港会社の建物の前を通り、さらに貨物ビルの前を通ってようやく辿り着く。しかも自家用車の乗降場もないという作りである。LCCターミナルなので多少離れていても仕方ないという理屈はあるが、貨物ビルの先にターミナルがあるのは、空港の将来を見据えていなかった結果といえる。空港建設時から反対派の問題がありそれは今も続いているが、貨物エリアなどは数か所に分散している現状を見ると将来の拡張性を考えた作りをしていなかったのが残念である。
かつて20~30年前は極東という地の利を活かし、北米からアジアを結ぶ便が成田を経由して飛んで行ったためアジアのハブと言う地位を築いていたほか貨物需要も世界トップクラスであった。しかし昨今、航空機の航続距離が伸びたことにより北米から日本を飛ばして香港やシンガポールへ直行で飛べる旅客機が出現。また中国をはじめとしたアジアの国々が豊かになると共に大空港が建設され、混み合い制限の多い成田を避けてソウルや上海、北京へ直行で飛ぶルートが増え始めた。その間も首都圏の空港利用者は増加し、政府が行う訪日観光客増加のビジット・ジャパンキャンペーン以後は外国人旅行者も増加している。
実際に空港の設備や運用の状況が良くない日本から撤退して他のアジアの都市へと就航先を変えたエアラインもあり、日本人にとって航空会社の選択肢が減るほか、直行で飛べる都市が減ればビジネスや観光においても大きなデメリットとなる。先進国であり、経済大国にふさわしい空港となるべく、国民の航空に対する意識を変えていかなければ日本の空港はアジアにさらに遅れをとってしまうことになるだろう。