駐日中国大使・程永華氏講演会全文(上) 「日中戦えば共に傷つく、中国恐怖・崩壊論は混乱の要因」

■中国恐怖、崩壊論は混乱の要因

中国は特に改革開放以降、この30数年のあいだに、急速な発展を続けて参りました。その結果、2010年に世界第2位の経済大国になると共に、世界の舞台の中心にますます近づいている。また中国が、人類共通の課題を解決する為に、より多きな力を投入し、より多くの知恵を出すことを、ますます多くの国が望んでいる。相対的に期待もそれだけ大きくなりました。それと同時に、国際社会では、中国の発展に関するさまざまな見方があります。いろんな言い方がありますけど、例えば、中国チャンスだ、これがチャンスだと、バスに乗り遅れる事のないようにと、バスに乗って一緒に乗って行こうという、そういう話しとか、或いは、中国恐怖、中国は怖いとか、みんな寄ってたかって、それを封じ込めようとしているという話もあります。或いは、中国崩壊、中国はもう駄目だと、いろんな言い方があります。このようなさまざまな考え方も、中日関係の因縁の混乱の要因ともなっている。

私たちは、これを避ける必要はありません。つまり、いかにお互いに認識するか、中国から日本をどう見るか、日本から中国をどう見るかと言う問題に直面します。要は、互いにパートナーなのか、脅威なのか、チャンスなのか、チャレンジなのかと言う問題を根本から解決する鍵は、心理状態を先ず正し、客観的、全面的な目で中国の発展を観察して、分析し、改めて正確な相互の認識と位置づけを、行えるかどうかにあると思う。つまり、お互いに正しい相互認識を持つべきだと、正しい位置づけをすべきだという事となる。

■中国は平和的発展の道を堅持

中国としては、終始変わることなく平和的発展の道を堅持して参りますと共に、自らの発展で、世界平和を守って参ります。中国の歴史を見ますと、和を持って尊しとなすという精神は、中国の伝統文化として、中漢民族の歴史を貫いております。それに、またマイナスな教訓として、中国は、近代以降、長い間戦乱の苦しみを経験してきました。特に、1840年のアヘン戦争以降、長い間戦争を経験し、その戦争の苦しみを経験した。そのために、中国の人民は、平和の大切さを、一番良く肌で感じております。新中国成立から、60年余り経ちましたが、その間、中国は、独立自主の平和的外交政策を実行して参りました。今後も引続き、平和、発展、協力、Win-Winという旗を掲げて、世界平和を守り、共同の発展を促すことに尽力して参ります。

中国の国内状況を見ますと、中国の経済規模は、すでに世界第2の経済大国になりました。しかし、中国は、依然世界最大の発展途上国であります。今後は、さらに5,700万の農村の貧困の問題を解消し、乗り越えるという現実的な課題に直面している。つまり、中国を認識するに当たって、さまざまな側面から、総合的に見なければなりません。(下につづく)

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