日中友好協会駐日中国大使・程永華氏講演会全文(下) 「日中戦えば共に傷つく、中国恐怖・崩壊論は混乱の要因」

2月3日、沖縄・那覇市内のホテルで、沖縄県日中友好協会の設立を記念した、程永華駐日大使の講演会と祝賀会が開かれた。

2回に渡って、日中交流の重要性や、尖閣諸島の領土問題をはじめとした内容の全文を掲載する。(上はこちら

これは、中日関係に対する認識も、この中国に対する認識と同じように、中国の諺にこういう言い方があります。昔、その目の不自由な方が、その象というのはどういう物なのか。そうすると、子供、目の不自由な方に、あの手で触ってみましょうと。そうすると、答えがさまざま。脚を触った人は、何か柱のようだと。尻尾を触った人は、何か縄のようだと。答えがいろいろありました。ですから、その全体的に見て、考えなければ分からないと言う意味となる。

それから、2010年に中国のGDPが、世界第2位になりましたけれども、それは大きな成果となる。確か私が覚えているのは、中国の前総理の温家宝総理が、総理就任の記者会見の際にこういう有名な言葉を話されました。彼は、常に頭に13億と言う数字を置いていると。つまり、中国においては、いくら大きな成果であっても、13億で割ると余り大した成果ではない。しかし、幾ら小さな問題でも、13億をかけると大変大きな問題、こういう話しをされた記憶があります。

現在中国としては、2つの100年。2つの100年と言うのは、大体2020年までに、小康社会の全面的完成。小康社会と言うのは、日本語の漢字の理解と中国では、少しニュアンスが違いる。英語に訳すと、「ややゆとりのある、幸せな世界」という意味で使われている。それから、2050年前後に、全面的近代化の実現という目標を掲げている。その目標の実現が当面の中国の最も大きな戦略的目標でありまして、それから14億に近い国民の生活のレベルを実際に高めるには、また引き続き、大きな努力を、長い時期に渡って続けていく努力を払う必要がある。このために、中国としては調和のとれた、また安定した国内環境、それから国際的には、平和で安寧、平和で安定した国際環境を積極的に築き、また守っていかなければなりません。国際環境を見ますと、世界の多極化、或いは、経済のグローバル化が深まり、各国が緊密に結びついて、互いに依存し合い、運命を共にし、喜び、悲しみを分かち合える、平和、発展、協力、Win-Winという時代の流れが、日増しに強くなっております。この流れに従いまして、中国は、人類運命共同体を共に引き継いでいこうと、積極的にアピールしております。その具体的なイニシアチブとして、一帯一路、略して一帯一路と言いますけれども、いわば、分かり易く言いますと、陸上と海のシルクロードの建設、経済の協力を進めて行こうというのが、一帯一路の方針となっている。

それから、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立という事を提唱して、実際に進めております。これは、いずれも、各国の互恵Win-Winを実現する為の中国の重要な現実的措置であります。現在はすでに、大変良いスタートを切りまして、その一帯一路のサミットを、ハイレベルのフォーラムを、今年5月に北京で行う予定をしておりまして、さらにAIIBが既に、創始メンバーが57ヶ国入りまして、さらに30ヶ国近く、既に申し込んでおりまして、今さらに協力の輪を拡大しているところであります。

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