バリ島へLCC直行便、初便搭乗でわかったその実力【搭乗レポート】

日本に初めて定期便を乗り入れた、エアアジアグループ3社目となるインドネシア・エアアジアX。東京/成田とデンパサール(バリ島)の間を週4便で運航を開始し、6月には毎日運航に切り替える。

バリ島へは、ガルーダ・インドネシア航空の直行便のみしかなく、日系航空会社を利用する場合はジャカルタやシンガポール、クアラルンプールなどを経由する必要があり、旅行代金も少々割高だった。そんなバリ島へ格安航空会社(LCC)が直行便を就航させたことから、価格破壊によってより多くの旅行客の選択肢にのぼるようになるかもしれない。

初便となる、東京/成田発デンパサール行きのインドネシア・エアアジアX、XT402便に搭乗したので様子をレポートしたい。

成田国際空港では第2ターミナルを利用し、チェックインカウンターはターミナル端の「S」を使用していた。カウンター業務はスイスポートジャパンが受託している。チェックイン開始は午前7時25分からだった。初便ということもあるのか、延々とチェックインの列が進まない状態だった。預け入れ手荷物が多い人が多く、大手旅行会社の旅程表を持ったツアー客とみられる人や、サーフボードを持った人も目立つ。

保安検査場は北側は午前7時(2018年1月1日現在では午前7時15分となった)、南側は午前7時30分開始であり、長蛇の列になっていた。時間に余裕を持っておかないと乗り遅れてしまう可能性もあるので注意したい。

初便ではゲート前でセレモニーも開かれた。

機材はエアバスA330-300型機。プレミアムフラットベッドを「2-2-2」配列で12席、エコノミークラスを「3-3-3」配列で365席(後部の一部列は「2-3-2」配列)の計377席を設けている。エコノミークラス前方の7列目から14列目は、10歳以上のみ利用できる「クワイエットゾーン」、非常口前などは足元が広い「ホットシート」となっている。
インドネシア・エアアジアXでは2機を保有しており、クアラルンプール経由ムンバイ線にも就航したばかり。2路線を2機で賄っている。

プレミアムフラットベッドは水平状態となるシートであるものの、傾いた状態ではある。フットレストやヘッドレストもあり、毛布も無料で借りることができる。機内食はエコノミークラスと同じ食事が1食無料で提供され、それ以外は有料となる。価格を抑えつつゆったりとした旅をしたい人にはおすすめだが、過剰なサービスは期待できない。

エコノミークラスは「3-3-3」配列となっている。大手航空会社ではエアバスA330-300型機は一般的に「2-4-2」配列としており、横幅は狭い。一方で前後間隔は大手航空会社と変わらないので、長身の人でもゆったり過ごすことができる。より広さを求めるには、非常口など足元が広い「ホットシート」を選択するのがベストだろう。

初便となるXT402便は定刻より1時間以上遅れて出発、午前10時頃に離陸した。

今回利用したのは、エコノミークラス前方のクワイエットゾーン。機内食はメニューの中から「温野菜たっぷりの牛丼」(90,000インドネシア・ルピア、約750円)を選択した。ドリンクは水が機内食に付いていて、さらにコーラも注文した。利用できるのは、インドネシア・ルピア、米ドル、日本円(発着国の通貨)の3種類で、お釣りは全てインドネシア・ルピアとなる。クレジットカードの利用はできない。

牛丼という名前ではあるものの、牛肉を炒めたものとご飯は別盛りになっている。「温野菜たっぷり」というメニュー名とはかけ離れいて、色鮮やかな感じは一つもしない。機内食価格と相応な内容だと思うので、できるだけ出発前に朝食を食べておくほうがベストだろう。

他にも、「チンおじさんのチキンライス」、「チキンべジャミルのベイクドポテト、フリッタータ添え」、「ブロッコリーとスイートコーンのベジタブルパスタ」の3種類のメニューがあり、いずれも90,000インドネシア・ルピア、朝食メニューとして、「ハワイアンBBQチキンラップ」、「ローストビーフとチキンハムのサンドウィッチ」をいずれも60,000インドネシア・ルピア(約500円)で販売している。

所要時間は約7時間ほどで、「3-3-3」配列の真ん中になるとかなり不快だろう。また、デンパサール発は夜行便であるためあまり気にならないが、東京/成田発は朝であるために、本や動画などがないと起きているのが少し苦痛だ。私は寝不足気味だったので機内食後は寝たのだが、途中でダウンロードしていた動画を楽しんで時間を潰した。

デンパサール国際空港には約2時間近く遅れて到着した。入国審査はかなり混み合っており、別日の同便を利用した人によると、1時間程度待ったという。帰国時の出国審査にも30分以上時間がかかったため、余裕をみておきたい。