ヴァリエホテル広島、11月25日閉館
その噂は本当か? ”日本最低評価の宿”に泊まりに行ってみた【レポート】
――翌朝、朝食の時間は7時半と伝えられていたので7時すぎに起床した。身支度をして1階に降りると、今日も階段の下で犬がこちらを見据えて待ち構えていた。さすがに犬の方もこちらを宿泊客だと認知したのか、吠えてくる様子はなかったので横をそっとすり抜けようとした。
「ワンワンワン!」
やっぱり吠えられた。
朝食は納豆、サケの切り身、ハム、温泉卵など。ご飯は新しく炊かれたものだったが、やはり水分が多め。ご飯が新しいというだけで食欲は促進されるもので、昨晩より美味しく食べられた。ただ、納豆には見慣れない白い粒々が付着していてザラザラしていた。後で調べてみたところ、“白いつぶつぶとしたものは、チロシンというアミノ酸成分の結晶です。長時間10℃以上の場所で保管された場合や、賞味期限を過ぎた場合に、発酵が進んでチロシンが発生します”(出典:http://www.mizkan.co.jp/kume/information/)ということだった。向かいには昨夜来た男性の1人客が座っていたが、彼も首を傾げながら食べていた。
食事中、足元を犬がちょろちょろしているのが気になって仕方なかった。動物好きの方には申し訳ないが、食事中に近くで犬が走り回るのは本当に勘弁してほしい。食べ終えるころ、昨夜の建設関係と思しき素泊まり4人組が1階に下りてきた。彼らはおばちゃんに「テレビのチャンネルが変わらなかった」というようなことを伝え、仕事に出発していった。
朝は温泉には入れないということなので、部屋にあったシャワーを浴びた。部屋の浴室は一般家庭のそれのような造りで、洗濯機置き場には体重計が置いてある。ボイラーは問題なく電源が入り、文字通り朝から冷や水を浴びせられることにならなかったのが幸いだった。
▲浴槽も備え付けてあったが黒ずみが目立っており、しばらく使われていないことは明らか。
温泉に入れないのではこれ以上長居する理由もない。そそくさと荷物をまとめて宿を後にすることにした。1階に下りておばちゃんに挨拶すると、「宿泊代5,850円です」と告げられた。ネットで先に決済していたはずである。すると、特に書類などを確認することもなく「そうですか。じゃあ150円だけください。入湯税ね」と返された。果たしてそれで大丈夫なのかと思うが、地方では性善説の商売が成り立っているので問題ないのだろう。
以上で1泊2日の宿泊体験は終了。筆者の評価は、R社サイトのクチコミ評価に違わず「1点」としたい。あまりに酷くて泊まれないという程ではないが、この内容で1泊2食約6,000円という価格も考慮したうえでの評価である。猪苗代湖や磐梯山、五色沼などの観光スポットが近いという立地ではあるが、冬期にスキーなどのために連泊する場合ならともかく、近隣の観光の場合であれば、郡山や会津若松駅前で同価格程度のビジネスホテル1泊朝食付プランを探した方がいいだろう。
全国にはまだ1点台の宿泊施設が存在している。次の宿泊レポートはどこになるだろうか。