ANA、受託手荷物の適用ルールを変更 日本発エコノミー「Light」運賃では1個に
LCCの支払手数料の支払いをどう逃れるか 裏技も【コラム】
ピーチは11月15日より、支払手数料の値上げを発表した。その他の格安航空会社(LCC)でも、就航開始時から徐々に支払手数料の値上げに踏み切っている。
預け入れ手荷物、座席指定といったオプションは我慢できても、支払手数料は逃れることができない。いわば「LCC税」と言い切っても過言ではない。支払い段階になって、運賃よりグッと高い総額がを見てげんなりしたという人も実際はたくさんいるのではなかろうか。
さらに最近、各社は機内持ち込み手荷物の重量チェックを厳格化。いままでは2〜3泊くらいの取材であれば機内持ち込み手荷物の大きさの範囲内で済んでおり、特にチェックがなかったものの、この1年くらい前からゲートで重量チェックが始まり、知らなかった筆者は冷や汗をかいたこともある。結局、座席指定料金や受託手荷物料金を支払って早朝や深夜の安いフライトに搭乗し、遅延に気を揉むくらいなら、羽田からスカイマークに乗ったほうが安くて便利という現象も起きている。
支払手数料がLCC5社の中で最高値の会社は?
”LCC税”…ではなく支払手数料が一番高いのは、クレジットカードではバニラエアで600円だった。バニラエアでは携帯3キャリア、Alipay、銀聯カードなどでの支払いも手数料は一律でわかりやすい反面、どのような手段を使っても手数料を逃れることができないのが難点。
ジェットスター・ジャパンは、国内線と短距離国際線、長距離国際線(ジェットスター航空便)で分かれている。国内線はクレジットカードでは500円、キャリア決済は600円。短距離国際線はクレジットカードでは600円、キャリア決済は850円。850円は全社の中で最高値でもある。
ジェットスター・ジャパンは支払手数料を”かしこく、ちゃっかり”値上げすることでも有名。クレジットカードの支払手数料は就航時は200円で、2013年4月に300円、2014年2月に420円、2014年4月には430円、2016年12月に500円に4回も値上げしている。受託手荷物料金や最低価格保証規程なども細かく変えているので、一般人には把握困難であろう。一方で、最低価格保証を適用した場合、支払手数料がかからないという技もある。
銀聯カード決済で1予約150円のエアアジア・ジャパン
10月に就航したエアアジア・ジャパン、運賃や手数料などの発表資料を見た時に目を疑ったのは「銀聯カード決済」の手数料だ。
なんと1予約150円だという。5人で往復を利用すると、バニラエアなら6,000円。でもエアアジア・ジャパンなら150円ということになる。これは太っ腹!と思いきや、私のカードは2枚ともエラーを吐いて使えなかった。1枚は三井住友カード発行、もう1枚は香港の銀行発行なのだが、残念ながらいずれもサポート外。しかし、中国本土の銀行発行のカード番号を入れてみたところ、認証画面まで遷移できた。期待していただけに残念。クレジットカードなら400円(1人1区間)、コンビニ決済では500円(同)なので、こちらも他社より割安。
ちなみに11月15日から値上げするピーチは、クレジットカードや銀聯カード、Alipayでの支払いは540円(1人1区間)、コンビニ・ATM・インターネットバンキングでの支払いは650円。春秋航空日本は、手段問わず550円だ。
実はある、「バニラエア」の裏技
しかしここにも裏技がある。筆者が愛用するスカイスキャナーでは、バニラエアの航空券を旅行代理店経由で予約したほうが安いという珍現象が見られるのだ。
例えば、バニラエアの東京/成田〜沖縄/那覇線の場合、バニラエア公式サイトでは6,860円であるにもかかわらず、エアトリとスカイチケットでは6,260円、DeNAトラベルでは6,710円といずれも割安だ。ちなみにジェットスター・ジャパンでは公式サイトとスカイチケットの価格は支払手数料を含めて同額だった。ピーチは公式サイトのほうが安い。
どうせ決済時に高い手数料を取るのだろうと思いながらもスカイチケットで予約したところ、そのままの金額で購入できたため拍子抜けした。どうやらスカイスキャナーなどの比較サイト(メタサーチ)経由では決済手数料を取らないようで、ある特定のルートからは3,240円と拍子抜けする取扱手数料が表示された。知らないって怖いとつくづく感じる。そういうわけで、筆者のバニラエアポイントは一切貯まらず、使えない。ポイントより実利だ。
利用者視点では、「荷物買いませんか?」とか「保険どうです?」といったものよりも、とりあえず安く予約したいという1点に尽きるだろう。スカイチケットやエアトリではそういったオプション選択画面は極力排除されており、オンライン旅行代理店が勢力を伸ばしている背景には航空会社の予約システムの使いづらさが根本にある気がしてならない。
フライトバウチャーも使いよう
ジェットスター・ジャパンでは、フライトバウチャーで全額を支払う場合には、支払手数料は無料だ。「ギフトバウチャー」としてフライトバウチャーを販売しており、2,500円、5,000円、10,000円、20,000円、30,000円、50,000円の6種類から選択してプレゼントすることができる。フライトバウチャーは1回に限り利用でき、残額の繰越はできない。2枚以上の併用はできる。
航空券+諸税の価格が4,800円の場合、クレジットカードで支払う場合は、国内線では5,300円が必要になる。しかし、5,000円のフライトバウチャーで支払いを行えば、支払手数料はゼロとなり、200円を捨てたほうがお得になる。ただし、フライトバウチャーの購入はJCBカードのみに限られているので注意が必要だ。
人数、区間が多くなればなるほど、支払手数料の負担は大きくなるので、シミュレーションをしながら購入するのが良い。フライトバウチャーの金額を超過し、クレジットカードで差額を支払う場合には残念ながら支払手数料が必要になるので注意したい。
ちなみにピーチの「ピーチポイント」では200ポイント(1人1区間あたり)とこちらも通常の支払いに比べて割安。さらに「ピーチポイント」は繰越可能、ふるさと納税の返礼品としても入手可能なので、節税面でも嬉しいポイントでもある。