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旅客機が道路を横断 ボーイング787型機初号機が建設中の商業施設に移動
中部国際空港に駐機されているボーイング787型機初号機(ZA001)を、2018年夏に開業予定の複合商業施設「FLIGHT OF DREAMS(フライト・オブ・ドリームズ)」へ移動させるイベントを、12月17日に開催した。
駐機エリアと一般エリアの境界にある柵を一部取り壊し、機体を一般エリアに建設中の「FLIGHT OF DREAMS」までの約900メートルをANA中部空港のトーイングカーで移動させた。ボーイング787クラスの大きさの航空機が空港の制限エリア外へ移動することや昼間に道路を横断することは、日本で初めての事例となる。
移動開始に先立って開催されたセレモニーには、中部国際空港の友添雅直代表取締役社長、ANA中部空港の菊池裕司代表取締役社長、ボーイング・ジャパンのブレット・ゲリー社長がそれぞれ挨拶し、移動を見守った。
ボーイング787型機の部品をアメリカの工場へ輸送する「ドリームリフター」が駐機するすぐ横を、時速3キロから4キロ程度のゆっくりとした速度で牽引されたZA001が通り、一般エリアの臨時駐車場に出たところで一旦停止し、一般申込みで募ったファンが機体のすぐそばで撮影できる時間を設けた。機体外観のほか、ANA中部空港のスタッフや客室乗務員との撮影を楽しんでいた。その後、機体は一般道を横断し、ゆっくりとした速度で「FLIGHT OF DREAMS」に収まった。
一般応募は機体の近くで撮影ができる2,000名と、機体が道路を横断し「FLIGHT OF DREAMS」内に収まる様子が撮影できる1,500名の計3,500名を先着順で募集した。多くの応募があり、予約申し込み開始からわずかな時間で募集を終了した。
「FLIGHT OF DREAMS」の建物と機体両翼との間はわずか70センチで、正確さと高い技術力が求められる。トーイング作業は、1994年に入社しグランドハンドリング歴24年のベテラン、松永悟さんが務めた。ZA001が駐機位置を変更する際のトーイングも担当しており、今回の作業担当になることは1ヶ月ほど前に知らされたという。強い風や段差、路面の状況の影響を考慮しながら作業したといい、作業後の囲み取材で報道陣から点数を聞かれると「100点満点」と自信たっぷりに答えた。
ZA001は、2009年12月15日にアメリカ・エバレット工場隣接のベーンフィールド空港で初飛行を行い、2015年6月22日に最終飛行として中部国際空港に着陸した。同年7月7日にはボーイングが中部国際空港に寄贈した。ボーイング787型機の機体構造体のうち約35%が日本、東海地方に拠点を置くパートナー企業が担っており、機体部品はドリームリフターでアメリカ・ワシントン州のエバレット工場に運んでいる。
「FLIGHT OF DREAMS」は4階建てで、1階と4階は展示エリア、2階と3階は商業エリアとなる。展示エリアの体験コンテンツは「チームラボ」がプロデュースする。商業エリアはシアトルの街並みを再現し、スターバックスコーヒー、THE PIKE BREWING RESTAURANTといった飲食店や、アメリカ以外では世界初出店となるボーイングストアなどの物販店を展開する。延床面積は約10,000平方メートル。南側立体駐車場近接地に2018年夏のオープンを予定している。