他人の宿泊予約権利を購入できる「Cansell」を使ってみた 新宿のシティホテルに1泊朝食付2,000円で宿泊できた 【レポート】

宿泊当日に「ホテルV」の公式サイトで宿泊料金を確認したところ、同一の部屋タイプは3泊で21,300円で予約ができる状態だった。Cansellではあくまで出品者が購入した金額からの割引率が計算されているため、ホテル側が出品者の購入価格よりも値下げした場合は、Cansell側に表示される割引率よりも低くなる。もちろんホテル側が宿泊料金を値上げした場合は割引率は高くなる。

ホテルが当日に販売している料金から考えると今回の予約は最大76.5%割引となり、激安であることには変わりないが、10%から20%程度の差しかない場合、旅行予約サイトで高率なポイント還元やクーポン利用での割引がある場合には、ポイント還元などを考慮した実勢価格は旅行予約サイトのほうが安くなる可能性もあるので、利用する際には実勢価格もチェックしたほうが良いだろう。また、Wi-Fiや朝食が無料になるといったホテルの上級会員の特典も、直接予約ではないため受けることができない可能性もあり、その点も考慮する必要がある。

宿泊当日はホテルのフロントで名前を伝えるとチェックインができた。Cansellが予約名義を出品者から購入者(筆者)にきちんと変更しているため、手間取ることはなかった。

宿泊台帳に住所や名前を記入していると、予約サイトの欄は大手外資系オンライン旅行代理店Eと書かれていた。後日Eの予約ページを見ると、連泊プランはなくキャンセル不可のプランが最安だった。国内のオンライン旅行代理店では連泊プランの設定もあり、キャンセルが前々日まで無料だった。出品者ももう少し比較検討をしていれば”たたき売り”をする必要がなかったわけで、権利の転売よりも賢く選ぶべきだったと思う。実は筆者は当初、ホテル側が自ら販売しているのではないかと疑問を抱いていた。正月明けの東京都心のホテルでは予約状況が芳しくないという話を多く聞いていたことや、明らかに多くの部屋が一度に販売されたからである。どうやら宿泊台帳を見る限りでは違ったようだ。

Cansellには「安いから泊まる」という筆者のような人(実はCansellを使って都内に泊まったのは2回目だ)もいるし、購入者と価格交渉をすることができるため、わずかに安い競合ホテルに客を取られずに済むことから、ホテルが自ら出品するといった機能も増えるかもしれない。部屋を埋めたいが故に公式サイトや大手オンライン旅行代理店で格安で販売すればブランドが毀損するリスクもあり、すでに高い金額で予約済みの人は良い気がしないだろう。ホテル側は購入希望者の属性だったり、他ホテルの会員ステータスなどを見た上で予約を受けるか決めることもできるはずで、今後の発展にも期待したいところだ。

筆者はおよそ年間50泊から60泊ほどホテルに泊まるが、出品数が限られているCansellのみで賄える気はせず、一部のチェーンホテルでは直接予約で特典を受けることができるので、利用するシーンは限られるだろう。一方で、特典なんてどうでもいいくらい”爆安”での出品やこだわりのない人にとっては、思わぬ掘り出し物に出会うチャンスもある。ぜひ一度Cansellを覗いてみてはいかがだろうか。

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