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川崎重工業、N700系新幹線車両の台車製造に不備 基準により薄く
川崎重工業は、JR西日本が所有するN700系新幹線車両の台車枠に亀裂が発生した重大インシデントで、車両カンパニー兵庫工場で2007年2月に製造した台車で、設計上の寸法より薄かったことがわかったと明らかにした。
設計では側バリ下面の板厚の寸法は8ミリ、加工後は7ミリ以上であるところ、最も薄い箇所で4.7ミリだった。社内調査の結果、両部材のすき間を調整するために、平面度が出ていなかった側バリの下面を削り込んだことにより、図面寸法より薄くしていたことがわかった。鉄道総合技術研究所の調査では、溶接施工を含めた何らかの原因により生じた割れと考えられる破面が認められたという。
JR西日本とJR東海が保有する川崎重工業製のN700系台車枠のうち、JR西日本に100台、JR東海に46台の計146台で7ミリ以下の箇所が見つかっている。さらに、超音波探傷の結果、微細なきずの疑いのあるものが JR西日本で22台、JR東海で7台の計29台見つかった。うち10台を割断したところ、母材にまで達する割れはなく、全て台車枠の強度には影響しないことを確認したとしている。
これらの製造上の欠陥により、亀裂に至る進展速度が早まったと推定されるという。削り込みの補正と寸法調整のため、亀裂が発生した近傍の軸バネ座の全面に渡って肉盛溶接をしたことも影響している可能性があるという。
川崎重工業では品質管理体制を再構築し、徹底的に再発防止に努めるという。他の車両の台車枠は、図面指示通りに作業していることを確認したとしている。