「カンガルールート」の名が無くなる? 豪州〜欧州間直行便、ついに就航【さかいもとみの旅力養成講座】

昔は7カ所を経由、所要4日間!

1947〜56年に使われていたロッキード・コンステレーション。豪州からロンドンへ片道4日かかったという(カンタス航空提供)

では、直行便以前のオーストラリア〜イギリス間のフライト事情について背景を述べてみましょう。

第二次大戦終了してまもなくの1947年のこと、この路線で初めて民間航空便が飛び始めました。飛行機が「飛んでは止まり」を繰り返す状況を見立て、オーストラリアと欧州を結ぶ便は「カンガルールート」と呼ばれるようになりました。

当時はまだ民間用のジェット機が生まれる前であったころから、プロペラ機が何度も寄港して給油しながら先へ進んでいました。途中降機地は全部で7カ所、シドニーからロンドンまではなんと4日間もかかりました。

その後、ジェット機が誕生、さらに大量輸送が可能となったボーイング747「ジャンボ」が投入され、経由地は2回に減り、より快適な旅が楽しめるようになりました。しかし、依然として直行便で飛べるようになるには、それなりの技術の進歩を待たねばなりませんでした。

今回の直行便就航を機に、カンタス航空はさらに「シドニー〜ロンドン間の無着陸直行化」を目指し、二大航空機メーカーに機材の開発を行うよう呼びかけている。もし、直行便化が積極的に進めば、「カンガルールート」という単語が消えてしまうのかもしれません。

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