ヴァリエホテル広島、11月25日閉館
あいりん地区”最高値”の宿「HOTEL SUNPLAZAⅡANNEX」【はんつ遠藤の大阪・西成C級ホテル探検(1)】
清潔な3畳一間は快適そのもの
部屋は406号室だ。エレベーターで4階へ向かえば、これまたシックな雰囲気の廊下が。
と共にキチンとした鍵を用いたドアノブ。オートロックではないものの、想像ではセキュリティ面が不安になるような簡易型の鍵だと思っていたので、ちょっと意外というか安心。
ドアを開ければ、そこには想像どおりの広さの「3畳一間」が広がっていた。実は僕、高校を卒業した後、いわゆる浪人生の時に、3畳一間に住んでいたことがある。早稲田大学の大熊講堂の裏で、まさに「かぐや姫」の「神田川」という歌に出てくるとおりの下宿だった。でも今回の部屋はそこよりもずっと綺麗で清潔感が漂っている。壁も畳も問題なく清潔だ。
多くの方は「3畳一間」を狭いと思うかもしれない。いやいや、実は1畳あれば、大抵の人間は問題なく寝られる。極端に言えば、3畳あれば3人が普通に寝られる空間なのだ。よっぽど、カプセルホテルのほうが狭い。
とはいえ、シングルで予約したのに、布団が2人分あるのにはちょっと驚いた。試しに1人分を敷いてみれば、もちろんひとりならば充分のサイズ。独特のブルーを基調とした布団も、却って和風のそれよりも爽やかな感じで個人的にはGood。強いて挙げれば、まくらが小さい。でもひとりで2個使用できるので、まぁOKか。敷布団は全室ともブレスエアーを採用している。
他には簡易型の折り畳みテーブルと冷蔵庫、テレビも設置されている。
アメニティは旅館にあるような薄手のタオルとハブラシ、紙ナプキン、ポケットティッシュ。なるほど、一般的なホテルに備え付けられているティッシュケースは置いてないわけ。それと、シェーバーが無い(フロントで30円で販売)。
あと、この手の部屋だとコンセントがひとつしかない気がしていたが、実際には2か所が使用可能。FREE Wifiも問題なく繋がり、瞬く間に、自分の部屋にいるような居心地の良さを感じるのだった。
インバウンド需要を見事に取り込む
部屋にいたらあまりに快適すぎるので、せっかくなので館内探検に出てみた。これまたキチンとしたエレベーターで1階に戻る。エレベーター内には「静かにしてください。」という日本語をはじめとし、計4か国語で注意書きが貼られていたのが印象的だった。一般的なホテルではあまり見かけないエレベーター内の注意書き。
しかも耳栓も用意しているというので見に行ったら、1階フロント横に、これまた珍しい形で耳栓があった。と共に、僕は気づいた。宿泊者が日本人ではなく、やたらと外国人な事に。ましてや日雇い労働者的な方など皆無。後から調べてみると、今や西成の激安ホテルは外国人観光客に大評判なのだそう。確かに、駅からホテルまで来る時も数多くの外国人観光客らしき人々がいた。中国、韓国、台湾、東南アジア的な方だけではなく、欧米人らしき方々も。西成、特に駅周辺に至っては、かつてのドヤ街のイメージではなく、いわばタイのカオサンのようなバックパッカーの聖地のような雰囲気すら醸し出していた。
ロビーで楽しそうに会話をする外国人の言葉を聞きつつ、何を言ってるのか全然分からない高揚感で海外に旅行に来たような気分を味わう。すると、ふと見れば、セルフのコーヒーマシンがあった。思わずホットコーヒーを入れ、ロビーでまったりとしたひとときを過ごす。
さらに夏場だからか、かき氷製造機まで。また思わずかき氷を作り、せっかくなのでカラフルに仕上げてみた。異国の言語が飛び交う空間も相まって、もはや心はハワイ、ワイキキのマツモトシェイブアイスにいる気分だ。
ちなみに電子レンジもあったので、コンビニやスーパーなどで購入したものを温めたりもできる。ウォーターサーバーも製氷機も。お湯もあるのでカップラーメンなども食べられる。なお、コーヒーやかき氷、電子レンジは午前7時30分から午後10時30分まで、お湯やウォーターサーバー、製氷機は24時間OK。3階と6階にはガスコンロのあるミニキッチンまであるそう。