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ナイフ所持で検査通過の乗客、ジャカルタへ乗り継ぎ 羽田でも見落とし搭乗
全日本空輸(ANA)は、9月26日、伊丹空港の保安検査場で見つかった乗客の多機能ナイフを、委託している警備会社のにしけいの検査員が誤って返却した事案で、羽田空港の国際線保安検査場でも、この乗客のナイフを発見することなく保安検査場を通過させていたことが新たにわかった。
この乗客は、午前6時50分ごろにプレミアム保安検査場を通過し、大阪/伊丹発東京/羽田行きのANA14便に搭乗していた。同便は定刻より25分遅れの午前7時55分に出発し、午前9時3分に到着。その後、午前9時35分頃に羽田空港国際線ターミナルの中央保安検査場を通過し、ジャカルタ行きのANA855便に乗り継いでいた。羽田空港の保安検査場の警備を委託されているジェイ・エス・エスの検査員も、X線検査で乗客の多機能ナイフを見落としていた。
ANAでは、伊丹空港の監視カメラと端末の通過履歴などから、9月29日に乗客の絞り込み作業を完了。9月30日深夜にジャカルタの空港で、乗客に対して確認作業を行った上で精査し、10月1日に当該乗客であると断定した。
ANAによると、伊丹空港でにしけいの検査責任者が、見つかった多機能ナイフを預け入れか放棄するよう、乗客に確認するように検査員に指示したものの、誤って乗客に多機能ナイフを返却し、保安検査を通過させた。にしけいは、午前7時5分頃にANAへ連絡。午前7時10分頃からラウンジ内の乗客を捜索し、ラウンジ内の乗客全員の保安検査を再度行ったものの、見つけることはできなかった。
検査員が、この乗客がANA14便に搭乗予定であったと記憶していたことから機内で利用者を捜索したものの見つけられず、後続便のANA16便でも、乗客全員を目視確認したものの、発見できなかった。ANA18便の乗客全員に再検査を行ったものの発見に至らず、午前10時に他便の保安検査も中止し、利用者全員に対して再検査を実施。午後1時ごろまで運航を見合わせた。32便が欠航、43便が遅延し、利用者8,653人に影響がでた。
ANAでは再発防止策として、ANAの就航全空港や委託先警備会社に対し、対応手順の再徹底などを指示し、「今後このような事態を発生させないよう、関係各社との連携の上、改めて再発防止を徹底し、航空保安対策に万全を期すよう努めてまいります」としている。