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JAL、成田でトーイングトラクターの自動運転実験 幹線空港で2020年度実用化へ
日本航空(JAL)と成田国際空港(NAA)は、トーイングトラクターを自動運転する実証実験を成田空港で始めた。国土交通省と連携した取り組みの一環で、乗客の手荷物の運搬を想定し、2020年3月末までの5か月間、空港制限区域内で実施する。
国土交通省は2018年度にも、航空会社らと連携して空港ランプバスの自動運転化に向けた実証実験を行っており、官民一体の「航空イノベーション」に取り組んでいる。同省が空港車両の自動化を推し進める背景には、生産年齢人口の減少による労働力不足がある。先端技術を活用して地上業務を省力化することにより、旅客需要の増加に対応していく。
成田空港におけるJALの空港業務用車両はトーイングトラクターが最も多く、約250台を保有している。同社グランドハンドリング企画部GSEグループ長の清水弘一氏によると、1台の自動化で2〜3人分の省力化効果が出ることが理想だという。
実験車両は、仏TLD製の「TractEasy」を使用。GPSアンテナやセンサーで車両の位置情報や障害物との距離を検知し、あらかじめ設定した経路を自動で走行する。また、遠隔運行管理システムはSBドライブ製の「Dispatcher」を採用した。遠隔地で車両の速度や位置を管理でき、安全性の高い運行に向けた検証を実現する。
11月12日に公開された実験は、第2ターミナル本館の手荷物仕分け場からサテライトの手荷物仕分け場までの約400メートルの区間で実施。荷物を想定したバラスト450キロを積載したULD(航空用コンテナ)を4台連結し、時速約10キロで2往復した。
2020年度の実用化を目指し、今後は駐機場と手荷物仕分け場の間などでも実験を行う。JALは、トーイングトラクターの走行距離が長い幹線空港を中心に導入していきたいとしている。