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”困った乗客”にどう対応? JAL地上係員、コンテストで接客力競う
日本航空(JAL)は11月26日と27日の2日間、地上係員の接遇力を競う「空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」を羽田空港の第一テクニカルセンターで開催した。7回目のコンテストとなる今回は、国内外の空港から選抜された60名のうち、26日に行われた予選を突破した14名が27日の本選に出場した。
本選では、海外空港・国内空港の両部門に分かれてそれぞれアナウンスと接客ロールプレイが行われた。審査のポイントは「安全」「多様性」「人間力」の三本柱。安全を大前提に、多様化する旅客に対して各々の個性を活かして接客できているかが勝敗を分けるポイントとなった。
海外空港部門 スプレーは機内に持ち込みできる?
午前に行われた海外空港部門には、ジャカルタ、ホノルル、金浦、マニラ、ヒースローの5空港から5名が出場。カウンターオープンのアナウンス審査に続いて行われたロールプレイ審査では、出発時刻を勘違いして焦っている女性や、搭乗券の小さな文字が見えずに困っている年配者の対応など、様々なシナリオが用意された。安全面については、殺虫剤や虫除けスプレーを所持している旅客に対して、機内に持ち込める物とそうでない物を判断し適切に伝えられるかが評価された。
審査の結果、海外空港部門ではヒースロー空港のアーメド・ザヒアさんが優勝した。準優勝はマニラ空港のボブ・ジュリアン・アグリンさん、また、審査員特別賞にホノルル空港の重満真美さんが選ばれた。
お客様目線のサービスを心掛けているというザヒアさん。「お客様が同時にいらっしゃるシチュエーションでも、公平に最高のサービスを提供できたと思う」とロールプレイを振り返り、「嬉しい。言葉が見つからない」と優勝の喜びを口にした。
国内空港部門 風船の取り扱いはどうするか
続いて午後に実施された国内空港部門には、石垣、那覇、成田、大分、宮崎、新千歳、関西、羽田の8空港から9名が集まった。国内部門ではアナウンス審査がロールプレイ審査の中に組み込まれており、接客対応中に同僚から便名と行先のメモを渡され、カウンタークローズのアナウンスを依頼されるというシナリオだった。ロールプレイには妊娠初期の女性客やチアスティック(スポーツ応援用の風船)を所持した外国人旅客が搭乗し、妊婦のヘルプマークに気付いて応対できるか、チアスティックを機内に持ち込む場合は空気を抜く必要があることを英語で適切に伝えられるかが大きなポイントとなった。
国内空港部門で優勝したのは羽田空港の西野恵理さん。また、関西空港の千代森奏恵さんが準優勝したほか、羽田空港の石原愛さんが審査員特別賞に選ばれた。
西野さんはシンガポール生まれの帰国子女で、英語が得意。幼い頃から空港に馴染みがあり、英語を活かした仕事がしたいと2017年にJALスカイに入社した。表彰状を手に、「一生の思い出になった。私のおもてなしで皆さんにJALを好きになってほしい」と笑顔で話した。