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新造船で快適なフェリー旅
筆者は長距離・短距離含め何回かフェリーに乗ったことがあるが、やはり新しい船に乗るのが快適なので好みだ。今回のフェリー「さんふらわあ ふらの」も、2018年の新造船だ。明るい船内と、最近のトレンドとなりつつある豊富な共用スペースは、フェリー旅を快適にしてくれる。
「パシフィック・ストーリー」の利用クラスはツーリスト。いわゆる「雑魚寝」だ。ただ、枕元にはコンセントもあり、マットレスや毛布、シーツなどを利用し快適かつ衛生的に過ごすことができる。
ただ、このツーリストのスペースはいずれも窓なし。圧迫感や閉塞感は否めないので、大きな窓のある共用スペースで多くの時間を過ごした。共用スペースもコンセントが随所に配置されている。更に共用スペースでは、航路上の殆どの区間で、陸上の基地局からの電波を拾って携帯電話の通信ができる。客室内では難しいようだった。
サウナ付きの展望風呂は最高!
1日弱をすごす船内には、展望風呂が備え付けられているが、まるで船内とは思えないほどの充実した設備だった(もちろん、外洋の揺れによって嫌でも船の感覚が叩き込まれてしまうが)。特にサウナがついているのは、サウナ好きにはたまらない。
利用には、タオルは必要だが、シャンプーなどは備え付けられている。常連の乗客には自前のシャンプーを持ち込んでいた人もいたが、旅行者には不要だろう。
深夜・早朝の時間帯を除き、すべての時間帯で利用できる。個人的には、朝風呂・朝サウナがオススメだ。人も少なく快適だった。
レストランの「コスパ」はイマイチ?
フェリーの醍醐味は食事だと思う。このさんふらわあにも、きれいな船内レストランがあり、夕食と翌日の朝食・昼食(軽食の位置づけ)を摂ることができる。
夕食はメインディッシュ1品を選び、ご飯・みそ汁・副菜・デザートなどは食べ放題の半ブッフェスタイル。朝食は全て食べ放題。なかなか豪勢なのだが、その分値が張る。
確かにフェリーでの食事は陸上に比べて高くなりがちなのは理解できるとはいえ、メインの客層に食事内容や料金が見合ってない感じは否めない。もちろんそれでもレストランの利用状況が良い船はあるが、残念ながら自分が乗船した便はそうではなく、乗客数に対しても少ないと感じた。
現状なら、北海道発ならご当地コンビニ「セイコーマート」で惣菜をたくさん買って、夕食は船内の無料の電子レンジで温めて食べるのが筆者のオススメだ。セイコーマートのパスタやサラダなど一部商品(北燦食品製)は苫小牧フェリーターミナル内の売店でも取り扱いがあった。
朝食バイキングのみならレストランを利用するのも悪くないようで、確かに夕食よりも朝食のほうが利用者が多く感じた。
最安クラス「ツーリスト」は、寝るだけと割り切るべき
筆者が利用した客室「ツーリスト」は、いわゆる「雑魚寝」スタイル。ほかの航路で雑魚寝自体は経験しているが、20名程度が、小学校の教室より少し狭い、窓なしのスペースに詰め込まれているといったところ。あまり好きにはなれないというのが正直な感想だった。しかし、船内には豊富な共用スペースがあるので、寝る時以外の、1日の大半は共用スペースで過ごせば良いと思う。
船内には無料のコインロッカー(冷蔵は有料)があるので、共用スペースで過ごすとしても身軽で過ごせる。
ただ、筆者はもし次に乗船するとしたら、1ランク上の「コンフォート」を選ぶと思う。プラス約2,000円で、カプセルホテルのようなキャビンを利用できる。別の航路で同様のキャビンを利用しているが、今回の「ツーリスト」と比較すると、快適性は格上だった。