ロンドン・ヒースロー空港の現状、帰国者で混雑も【レポート】

悲しい状況は空港の外にも

新型コロナウイルスの感染拡大で、世界中の飛行機の大半が空を飛べずにいます。

そんな中、ヒースロー空港を運航拠点(ハブ)とするブリティッシュ・エアウェイズは保有しているエアバスA380型機10機をすべてを一旦、フランスにある「飛行機のお墓」と呼ばれる空港に退避させる一方、「ジャンボジェット」ボーイング747-400型機は空港内の一角で翼を休めています。

ボーイング747-400型機はもうずいぶん古くなっているので、このまま退役でもやむなし、と思うのですが、「おやすみ中」の機体には、ボーイング777型機やエアバスA350型機の姿も見られます。別のハンガーにはエアバスA320ファミリーが数え切れないほど止まっており、まるで「景気の悪い中古車販売店」のような雰囲気が漂っています。

とりあえず生活はできるが、旅行解禁はいつに?

世界的に「ロックダウン」が続く中、イギリスでの生活は「買い物には自由に行ける」という状況だったので、一般的な食品を買うには不自由がありませんでした。ただ、都心にある日本食材のお店まで行くのは、依然としてウイルス感染のリスクが消えていないので、積極的に行こうとは思いません。かれこれ3ヶ月は都心に行っていないという状況です。

ちなみに、欧州圏内のビジネスユーザー向けのフライトが発着するロンドン・シティ空港(LCY)は3月下旬に全面閉鎖となりました。同空港があるニューハムという行政区は、イギリスで最悪の死亡率(10万人当たり150人弱)を示し、ニューヨーク並みのひどい状況になったことによります。

ガトウィック空港からブリティッシュ・エアウェイズはすべて撤退、ヴァージン・アトランティック航空はコロナ禍から明けてももう同空港には戻らない、と明言したこともあり、イギリスを取り巻くフルサービスキャリアの動向は今後、どうなるか注目する必要がありそうです。

イギリスもついに入国を制限する格好へと舵を切りました。島国で、欧州大陸側の出入国スキームである「シェンゲン協定」の枠組みから外れていることから、国外からの人の流れは当分止められることでしょう。

日本の皆さんがイギリスに来られるようになるのは、いつ頃になるでしょうか。状況が改善した頃にまた最新情報をお届けすることにしましょうか。では、皆さん、くれぐれもご無事にお過ごし下さい。

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