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デルタ航空、8月から羽田2路線再開 フライトの感染症対策を日本支社長らが語る
デルタ航空は日米間の移動需要拡大に伴い、8月から東京/羽田〜ロサンゼルス・アトランタ線を運航する。
デルタ航空は3月29日から東京〜米国間の運航を羽田に集約し、シアトル、デトロイト、アトランタ、ホノルル、ポートランド、ミネアポリス、ロサンゼルスの全7路線の運航を開始する計画だった。しかし、新型コロナウイルスの影響によりこの計画を大幅に変更。7月現在の日本路線は、東京/羽田〜シアトル線が週4便、同デトロイト線が週3便のみとなっている。需要が徐々に回復していることに伴い、8月からは東京/羽田〜ロサンゼルス・アトランタ線を各週3便体制で追加、デトロイト線も週4便に増便する。ただし、この他の日本路線については、夏スケジュール期間中は運休が決まっている。
国際線を順次再開させていることに合わせ、同社では感染対策のための新たな基準「デルタ・ケア・スタンダード」を定め、利用客の安全対策を徹底させている。同社の大隅ヴィクター日本支社長と、日本地区空港本部の田中勇三本部長は21日、この「デルタ・ケア・スタンダード」に関する説明会を開いた。
「デルタ・ケア・スタンダード」は、感染症を防ぎ、客が安全・快適に利用できるようにするための基準。「クレンリネス(清潔性の維持)」、「モアスペース(十分な距離)」、「セーファーサービス(より安全なサービス)」の3点をキーワードとして、出発空港でのチェックインから到着空港の手荷物受け取り所に至るまで、あらゆるシーンで利用客が接触する可能性のある場所を清潔に保ち、ソーシャルディスタンスを保つことに注力している。全スタッフに対して新型コロナウイルスの抗体検査を実施し、マスクまたはフェイスカバーの着用を義務付けた。米国の本社では新基準のための部署を立ち上げ、疾病予防管理センター(CDC)の視察を受けながら感染対策のための施策を検討・導入しているという。
▲空港カウンターでも使用しているアクリル板を置き、「デルタ・ケア・スタンダード」について説明する日本地区空港本部の田中勇三本部長
羽田空港での対策としては、空港運営会社の東京国際空港ターミナル(TIAT)と協力して、バゲージタグの印刷・取り付けをセルフ化した新型自動チェックイン機を導入。利用客とスタッフの接触機会を削減した。8月からはセルフバゲージドロップ(自動手荷物預け入れ機)の供用も開始する予定だという。チェックインカウンターには、社会的距離を保つための独自の誘導マーカーを掲出した。
また、各空港のラウンジ「デルタスカイクラブ」については、複数箇所設置している空港では機能を一箇所に集約。飲食サービスは個包装のテイクアウトメニューに変更している。なお、当初7月にオープン予定だった羽田空港のラウンジについては、「来年の東京五輪までにはオープンする」(田中本部長)方向で検討しているという。
搭乗時も不特定多数との接触機会を減らすため、後方座席の利用客から10人ずつ順次案内している。羽田空港では今夏から顔認証技術を利用したセルフボーディングゲートを導入する予定だという。
田中本部長が「我々が特に力を入れている」と強調する機内清掃については、ナイトステイ(一晩駐機)用のチェック基準を短時間駐機時にも導入した。ナイトステイ用の基準は短時間駐機に比べ、チェック項目が20個以上多くなっているという。通常の清掃に加え、消毒用の静電スプレーを導入して安全対策を強化した。清掃後は客室乗務員と地上職員など多数のスタッフにより、チェック漏れがないか確認を徹底している。
機内の換気についてはウイルスを含む粒子を99%除去できるHEPAフィルターを導入した。2〜3分で機内の全ての空気を入れ替えることができ、医療機関並みの換気体制になっているという。
さらに、9月30日までは距離確保のために予約座席を制限。主に中央席をブロックしており、「基本的に隣に知らない人が座ることはない」(田中本部長)という。こうした施策は日系航空会社では6月末までに終了しているが、デルタ航空では利用客から「隣の席が空いていると安心」という好評の声が上がっていることから、状況に応じて10月以降も継続することを検討しているという。機内にはマスクを搭載し、利用客全員にマスク着用を要請している。
大隅支社長は、「我々に今できることは、フライトは安全であるということをお客様に確信してもらうこと」と話し、渡航制限解除後の利用回復に期待を寄せた。