ANA、11月21日〜27日搭乗分「トクたびマイル」設定 東京/羽田〜石垣・宮古線が7,500マイルなど
航空会社公認? JALカードの「修行」解説”珍”記事を見てみる【コラム】
航空会社公認…かもしれない上級会員修行記事があるらしい、という噂がまことしやかに囁かれて始めている。
その記事はジャルカード(JALカード)のWebメディア「タビーカ」の「JGC修行(マイル修行)とは? JAL上級会員になる方法とメリット」。現記事は当記事執筆中の8月20日までに削除されてしまったため、アメリカの非営利団体の「ウェイバックマシン」に記録されたページを参照いただきたい。正確には航空会社公認ではなくJALカードの記事だが、日本地区会員のJALグローバルクラブ(JGC)入会にはJALカードが必携であるので、JALカードのこの記事には注目して読まざるを得ない。
JGC修行は「辛く苦しい」らしい
この記事の導入文はこうだ。
「JGC修行」という言葉をご存知でしょうか? JGCはJALの上級会員組織「JALグローバルクラブ」。JGC修行とは、その入会資格を得るために繰り返し飛行機を利用することです。辛く苦しい“修行”をしてまで入会したいと思わせるJGCの魅力とは、一体どんなものなのでしょうか? ここでは、JGCの概要とJGC修行についてご説明します。(以降斜字は記事からの抜粋)
一般的に個人ブログなどでは見受けられる、的を射た表現だ。ただ、これをJGCに限りなく近いJALカードの記事に掲載してしまうのは…
一応補足しておくが、日本航空(JAL)に限らず上級会員資格はあくまで「ご利用の多いお客様」に対するベネフィットであって、「修行」が前提ではないはず。筆者も上級会員資格を持っているが、「辛く苦しい修行」をした記憶はない。上級会員資格は、出張や旅行などの副産物として得られるものではなかったのだろうか。
JGCは「半永久的」と明記
一方、この記事で注目しておきたいのが、日本地区のJGC会員が所定の年会費を払い続ければ自動更新される「半永久的」なサービスであることが明記されたこと。
「JMB FLY ON プログラム」のサービスステイタスの場合、ステイタスを維持するためには頻繁に飛行機に乗り続ける必要がありますが、JGCの場合は指定のJALカードの年会費を払い続けるだけで自動更新となります(日本地区のみ)。一度その資格を手にすれば、飛行機に乗り続けなくても半永久的に特別なサービスを受けられる夢の上級会員組織、それがJGCなのです。
どんなサービスにも改変(ときには改悪)がつきものであるはずだが、このようにJGCは半永久的に特別なサービスを受けられる組織として維持されるということなのだろう。なお、これらの内容は規約には記載されていない。
「修行僧」は一安心といったところだが、やはりJALカードが出す記事としては謳い文句を並べすぎに感じる。
些細だが事実と異なる記述も
JALカードの記事として掲載されていることもあり、ほとんどの内容は正確だが、気になる点も。JGC会員が利用可能な保安検査場の記述にて
成田空港第2ターミナルから出発するJAL国際線を利用する際、JGCカウンターの近くにあるJGC会員専用の保安検査場「JALファストセキュリティレーン」を使うことができます。ハイシーズンや週末になると保安検査場は手荷物検査を待つ旅行客で混雑することがありますが、こちらはJGC会員専用のため、スムーズに利用できます。こちらもJGC会員と同行者1名まで利用可能です。
と記述があるが、これはJAL公式サイトにもあるように、JGC会員でなくても、JMBサファイアのステータスで利用可能だ。
また、この記事でもう1つ気になる点としては、毎年実施されている「JALカード会員限定 初回搭乗 FLY ON ポイントボーナスキャンペーン」の記述がないこと。JGC会員にはJALカードがほぼ必携であるが、「修行」をするならば5,000FLY ON ポイント(一部7,000ポイント)のボーナスは最初に得ておくべきだ。そして、JALカードはこのキャンペーンこそ(継続を前提に)明記してカード会員の獲得を促進したほうがよいのではないだろうか。