西成はコロナ禍でどう変わったか?「ホテル来山」【はんつ遠藤の大阪・西成C級ホテル探検(2)】

「国勢調査」の張り紙に驚く

そんな事を思いながら、フロントで氏名や住所、電話番号を用紙に記入し、検温を受け(料金は予めクレジットカード払い)、エレベーターへと向かった。その時、ふと、ある紙が掲示されていることに気づいた。

それは「国勢調査のお願い」のお知らせだった。本日より10月7日(水)まで。

ということは、居住している人もいるということ!僕はまたフロントへ戻り、聞いてみた。

「国勢調査が貼ってあったので、もしかして、ホテルに居住なさっている方っていらっしゃるのですか?」

「そうなんです。マンスリープランでご契約して頂ければ」

ちなみに料金は1ヶ月で48,000円(税込)。一日あたり1,600円。現在の値下げ状態では、そんなに魅力的な価格設定ではないが、以前の1泊2,600円程度から考えれば、かなりお得だ。

しかし、さらに現在ならではの、カラクリが、そこにあった。

「住民票も移せますか?」

「移せますが、移さないほうが、得です」

???

「今、Go To トラベルキャンペーンがありますよね? なので住民票を移さずに、それを使えば35%引きになるのです。つまり、1ヶ月31,200円(税込)。」

なるほど!!!

特に、僕が得をするわけではないけれど、なんだか良い話を聞いた♪と思いつつ、エレベーターで6階へ向かい、部屋に入った。もちろん3畳一間だが、清潔感あり。禁煙の和室を選択したので布団が綺麗に畳まれて置いてあった(洋室や禁煙タイプの部屋もある)。

広げれば、マットレスと敷布団、掛布団で構成され、寝心地も申し分ない。他にテレビや冷蔵庫、エアコンもあり、小さいながらもテーブルも。鏡やティッシュペーパーまで完備。ハンガーは3本。タオル、ハンドタオルの他、アメニティは歯ブラシ(シェーバーは無い)。しかも、薄めながらバスローブも。

早速、バスローブに着替えて、シャワールームへと向かった。館内はシューズのまま歩けるが、使い捨ての紙スリッパも部屋に用意されているので、それを使用するのも良いだろう。こちらには男女別大浴場(午後4時〜午前2時、午前5時〜午前9時30分)のほか、シャワールーム(24時間)が4つ。

大浴場は数名いたので、シャワールームを利用した。5年前は清潔だったルームも、今ではかなり老朽化が見られる。

2,000円台で、ちょっと嫌だなと思った点はここ。だが、今は1,850円。僕としては許容範囲だ。やや面倒なのは、ドライヤーが大浴場の脱衣所にしかないこと。以前はシャワールームにも設置していたこともあった。

ちなみにトイレは各階にあり、男性用は小が数台、ウォシュレット付き洋式タイプも数台あり、許容範囲の清潔度だ。

というわけでプラス項目、マイナス項目ともに見受けられる「ホテル来山」だが、本来の良さは外国人観光客とダイニングなどで交流できるのが大きい。

さらにミニキッチンには炊飯器やトースターなどもあり、モーニングにはコーヒーが無料で飲める。コミックスペースや無料PCコーナーまで。コロナ禍が落ち着いて、またインバウンド需要が見込まれるようになれば、その本領を発揮するだろう。それまでも以前よりも低価格で宿泊できるゆえ、大阪宿泊の1候補として、僕は十分に「あり」だと思った。

ちなみに深夜2時から5時までは玄関のシャッターが閉まるが、フロントには24時間スタッフがいるので、インターホンを押せば、脇の扉を開けてもらえるので、実質、門限は無い。

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