ANA、自動運転トーイングトラクターで国内初の手荷物搬送 荷物の自動積み付けも

全日本空輸(ANA)と豊田自動織機は、土日を除く9月28日から10月5日までの間、国内初となる自動運転トーイングトラクターによる手荷物搬送を、佐賀空港で実施した。最終日の10月5日には報道陣に模様を公開した。

今回の実証実験では、手荷物仕分場から車両通行帯を通り、出発スポットの機体横に到着。その後に車両通行帯を通り、手荷物仕分場に戻る、1周約200メートルのコースを、自動運転のトーイングトラクターで走行した。時速は最大15キロで、運転操作は行わないものの、緊急時に操作を行うための係員が乗車した。

3月からは、手荷物積み付けロボットの運用を開始した。預かり荷物の6割強を占めるスーツケースが対象となり、ベルトコンベアーを流れてきた荷物が吸盤位置で停止し、手荷物の角度や位置を検出して吸盤で固定するとともに、カメラでバルクカートの空きスペースを検知して積み付ける。1個あたり平均26秒で、30キロ以下の荷物を積み付けることができる。黄色のボックスを流すことで機械が自動停止し、青色のボックスを流すことで再開できるようにすることで、係員が手作業で積み付ける荷物をわかりやすくした。今後は積み付けることができる荷物の割合を増やしていく。

報道公開した、東京/羽田行きのNH456便には62人の乗客が搭乗し、31個の荷物を搭載した。ロボットは出発の30分前に停止し、積み付けた荷物は13個だった。

ANAと豊田自動織機では、生産年齢人口減少に伴う労働力不足などに対応するため、トーイングトラクター自動走行の取り組みを進めており、「イノベーションモデル空港」と位置づけている佐賀空港で実証実験を進めている。

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