1938年創業の湯富屋旅館、破産手続開始決定 負債総額約6.5億円

東京商工リサーチ

東京商工リサーチによると、愛知県豊田市の湯富屋旅館が、9月30日に名古屋地裁岡崎支部に破産を申請し、同日に破産手続開始決定を受けた。負債総額は6億5,500万円。

1938年に豆腐や生鮮食料品の行商・仕出しを目的に創業し1953年、温泉旅館の営業を開始した。奥矢作峡・笹戸温泉で最大の旅館、紫翠閣とうふやを運営し、1992年に建物を全面改装したことから客数が増加し、1995年5月期の売上高は約8億円だった。

一方で、全面改装に総額約15億円を投じたものの、その後業績が年々低下し、赤字を散発。借入金の返済負担が主にとなり、2006年には再生ファンドの資本注入や支援を得て、再建を図っていた。再建計画も支援元の変更などで方向性が定まらないなか、業績は一層悪化。2012年5月期の売上高は3億円を下回るようになり、採算性も悪化して債務超過に陥っていた。新型コロナウイルスの影響で、団体客を中心に集客はさらに減少したことにうより資金繰りは逼迫し、破産を申請した。