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「東海道新幹線と同じ乗り心地に」 JR東海、リニア技術向上へ時速500キロ仮想試験
JR東海は12月4日、「リニア走行試験装置」を小牧研究施設で公開した。
この装置は、実際のリニア車両のように車体を浮上させ、時速500キロ走行時の車体の揺れを再現して各種試験を行うもの。3月6日から運用を開始しており、乗り心地の向上確認や超電導磁石の耐久性検証等を、実車での走行試験よりも効率的かつ短期間で行えるようになった。
装置には、過去に山梨リニア実験線で走行していたL0系中間車1両(L25-904)を活用。両隣には2011年まで走行試験に使用していたMLX01を3分の1にカットしたものが連結され、2つの台車部分に電磁加振装置が設けられている。
▲L0系(奥)とMLX01の連接台車部分に設けられた電磁加振装置
試験では、この電磁加振装置に誘導電流を流して車体を浮上させ、電流の大きさや周波数を変化させることによって、走行時や超電導磁石特有の振動を再現する。装置自体は編成の一部のみを再現したものだが、他の車両から伝わる振動をコンピューターでリアルタイムに計算し、両端を油圧装置で動かすことで編成全体の動揺を再現できる。
4日に行われた試験では、担当者のカウントダウンとともに車体が約4センチ浮上。装置の近くに寄ると、車体が小刻みに揺れている様子が確認できた。現在は山梨リニア実験線の走行試験と同じ乗り心地を再現できることが確認されており、今後は台車の空気ばねやダンパーの設定等を調整して快適性の改良を図る。JR東海の寺井元昭リニア開発本部長は、「東海道新幹線と同様の乗り心地に近づける」と研究の目標を語った。
超電導リニア技術については、営業線に必要となる技術開発は完了しているが、この試験装置によって一層のブラッシュアップや保守効率化などを目指す。今後は、山梨リニア実験線では再現が難しい機器故障などのケースを想定し、異常の予兆を検知する監視システムの構築も行っていく。このほか、装置自体を揺らして地震の揺れを再現する機能も有しており、大きな地震が発生した場合の安全性検証が既に完了しているという。
▲L0系とMLX01の連接台車部分に設けられた電磁加振装置と、装置自体を揺らす加振台
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