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“顔パス”で国際線に搭乗 成田空港で実証実験スタート
“顔パス”で国際線に搭乗できる「Face Express」の実証実験が4月13日、成田空港で始まった。
自動チェックイン機で最初に顔写真を登録することで、カウンターや保安検査場、搭乗口で搭乗券やパスポートを提示することなく、“顔パス”での手続きや通過が可能になるもの。日本電気(NEC)が開発する生体認証「Bio-IDiom(バイオイディオム)」の顔認証技術を搭載したシステムを活用している。
導入箇所と台数は、第1ターミナルでは自動チェックイン機が出発用17台、乗り継ぎ用6台、手荷物預け入れ機が10台、保安検査場ゲートが8台、搭乗ゲートが22台。チェックインカウンターはC、搭乗口は51〜57Aが対象。また、第2ターミナルでは自動チェックイン機が出発用14台、乗り継ぎ用2台、手荷物預け入れ機が8台、保安検査場ゲートが7台、搭乗ゲートが39台。チェックインカウンターはK、搭乗口は61〜66・71・81〜83・91〜93が対象となっている。なお、出国審査場は対象外。当初は全日本空輸(ANA)または日本航空(JAL)の乗客のみが利用可能で、導入箇所・対象航空会社ともに順次拡大していく予定。空港を運営する成田国際空港(NAA)の宮本秀晴上席執行役員によると、「すでに関心を持っている航空会社が数社いる」という。
航空業界では、「Face Express」ようにパスポートや搭乗券と生体情報を紐づけて認証することを「OneID」と呼び、各国の主要空港が導入を進めている。空港での手続きが円滑化することで、旅客にとってストレスフリーな旅行環境が実現するだけでなく、定時運航率の向上にも効果が期待されている。また、人との接触機会を削減することで、感染症対策としても有効と考えられている。
「Face Express」の導入について前出の宮本上席執行役員は、「空港を無人にするということではない」と強調。人とシステムを効率的に活用していくことで全体の運用円滑化を目指す考えだ。無人で効率よく手続きしたい人は「Face Express」、サポートが必要な人はカウンターを利用してもらうような運用を想定しているという。
今後は航空会社とともにオペレーションの確認などを進め、本格運用の開始は7月となる予定。なお、同様のシステムは羽田空港でも導入されており、成田空港と同日に実証実験を開始している。
▲自動チェックイン機でパスポートを読み取らせ、顔認証で本人登録する。登録時間は数秒