機内食容器も”脱プラ”、ANAがサトウキビ由来の素材に 機内の使い捨てプラスチック3割削減

全日本空輸(ANA)は、国際線エコノミークラス機内食の主菜容器を、サトウキビから砂糖を精製する際に残る茎や葉であるバガス素材に、8月から順次切り替える。

国際線エコノミークラス機内食の主菜の容器は、機内とラウンジで使われている使い捨てプラスチックの中で量が最も多く、消費量の約3割を占めている。2019年基準では、年間約317トンの削減が可能となるという。世界の航空会社でも脱プラスチックが進んでいるものの、ANAによると植物由来の素材を使っている航空会社は現在ないという。

重量は23グラムで、従来より2グラム減った。従来のプラスチック製に比べて無骨さがなくなり、湾曲部分は手に馴染み、温かみのある印象を受ける。若干小さくなったように感じるものの、従来より高さがあり、内容量は変わらないという。底には滑り止めの凹凸もつけた。これまで4色あった容器は、2色に減らす。

CX推進室商品企画部の西村健マネージャーは、「本体と蓋が噛み合う部分に苦労した。水蒸気で柔らかくなったり、オーブンで温めた時に開いてしまうこともあった。固くしすぎると乗客が開ける時に力が入り、中身が出てしまう。」と開発の苦労を話す。構想は2年前からあり、20回に及ぶ試作や検証には1年程度を要した。客室乗務員や機内食を考案するシェフの意見も取り入れ、気圧が低い機内での検証も重ねた。当初は紙素材も候補に上がっていたという。

ANAでは、機内で使用するプラスチック製品を、順次環境に優しい製品に切り替えている。2020年度にカトラリーやマドラーを木製、ストローをバイオプラスチック製に切り替えており、2020年度には年間約25トンの使い捨てプラスチックを削減している。この他にプラスチック製品で大きな割合を占めるのはビニール袋で、紙コップの蓋なども削減の対象として考えているという。

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