最大4部屋しか販売しない、1泊1,500円で大浴場&エアコン完備の「三輝」【はんつ遠藤の大阪・西成C級ホテル探検(6)】

「兄ちゃん、ずっと待っとったんやでー」

そう言われても到着予定時刻は午後9時なのだが、と思っても、ここは彼に従おう。

「いいか兄ちゃん、中に入る時は、な、この扉はロックされとるから、こういう風に暗証番号を押すんや。やってみぃ?」

言われるままに番号を押し、暗記する(結局、その後、操作方法を書いた紙をくれたが)。そして中に入ったら、約10分間のレクチャーが始まった。

僕は、まるで、ディズニーランドのアドベンチャーに参加しているような気分になってきた。

「夜は玄関のシャッターは降りるが、門限は無いので、今みたいに暗証番号を押せば、脇から出入りできるからな」

分かりました!

「それと、大浴場は今日はお休み」

え?、水曜、日曜以外は入れるのでは?

「最近は、金曜もお休みなんよ」

な、なるほど。

「洗濯機とシャワールームは、奥の部屋にあるけど、21時で扉の鍵を閉めるけん、朝に入りや」

え?、もう入れないんですか?

「鍵を閉めるけん、朝に入りや」

は、はい!

ふと見れば、シャワールームがもうひとつ、廊下のところにあったが、工事中と書かれていた。こちらは工事中なんですね?

「ちゃうねん。今はコロナでお客さんが少ないので、使わせないように、こう書いているだけや!」

ええええ?

その後もフロント前で、紙に住所、氏名、電話番号を記入すると、またレクチャーは続いた。ちなみに館内は靴を脱いで、スリッパを使用。自らの靴は部屋へ持って行くスタイル。部屋は7階のようだ。そして管理人さんは言った。

「他の階には行ったらあかんで!!」

僕はとても気になったので、伺ってみた。他の階は、どなたか住んでるのでしょうか?

「いろいろやねん。長期で住んでる方もおるしな。インターネットで予約できるのは7階だけなんよ。1階のシャワールームもインターネットで予約した人だけが利用できるんよ」

あとあと調べてみたところ、2階から6階と、8、9階は、電話予約だったり、長期だったりで借りている方の他、生活保護などの支援団体も関わっていて、さまざまな方が居住しているようだ。

その後、僕はせっかくなので今日は使用できない大浴場や、午後9時に閉まる洗濯機&シャワールームのある部屋などを撮影だけさせてもらい、エレベーターで7階の部屋へと向かった。

それにしても張り紙の多いホテルだ。

事情が事情なだけに仕方がない気もするが。

エレベーターは清潔で、7階の廊下も古さはあるものの、清潔に保たれていた。

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