ANA、受託手荷物の適用ルールを変更 日本発エコノミー「Light」運賃では1個に
統合後のアシアナ航空、大韓航空にブランド統一 LCC3社は統合へ、機種削減も
大韓航空の禹基洪(ウ・ギホン)社長は3月31日、オンライン記者懇親会を開き、アシアナ航空の買収・統合計画を説明した。
アシアナ航空や系列10社のデューデリジェンスを、2020年12月から3ヶ月かけて実施した後、今年3月17日に韓国産業銀行に統合計画を提出、当局から求められた書類を追加提出するなどの補完作業を行っている。9ヶ国の当局では統合が審査が行われ、トルコからはすでに承認を得ており、年内にも全ての承認が得られるように作業を進めている。
両社の統合にあたっては、システムや組織、会計制度、マイレージの統合のほか、アライアンスの問題など、数十のプロジェクトから構成されており、準備期間は約2年を見込んでいる。アシアナ航空は大韓航空の傘下に編入して別ブランドとして運航を継続した後、大韓航空と合併し、大韓航空のブランドとして運航する。別ブランドとして運航する期間は、共同運航(コードシェア)などの協力関係にとどまる。
合併により、仁川国際空港を中心としたグローバルネットワークを構築し、北東アジアのハブ空港として成長や発展が可能であるとしている。両社を独立した会社として運営するよりも、統合したほうがシナジーが期待でき、雇用維持につながるほか、重複路線の効率化や新規就航地の増加、運航スケジュールの多様化、顧客の選択肢の増加、マイルの獲得や利用手段の多様化など、規模の経済によるメリットがあるとしており、相乗効果は年間3,000〜4,000億韓国ウォン程度を見込む。運航規模が同一であっても、必要な機材数は約10%程度少なく済むという。
一方で、両社が保有する機材は様々で、同じ機種であってもエンジンが異なることから、機種を簡素化する方針も示した。アシアナ航空が導入しているリース機は、5年以内に期間が満了する多くの機材が比較的多いほか、機齢20年以上の機材の退役や新型機の導入により簡素化し、運用の効率化やコスト削減を進める。
大韓航空傘下のジンエアーと、アシアナ航空傘下のエアプサン、エアソウルの3つの格安航空会社(LCC)は統合する見通しで、統合後の大韓航空傘下に置く案と、現在のジンエアーと同様に韓進ナイフ傘下に置く案の2つから検討している。統合によって、アジアでトップレベルのLCCの地位を確立したい考え。本社をどこに置くかも検討している。
IT子会社の韓進情報通信、アシアナIDTも統合する。予約・発券システムを旅行代理店に提供するトパス(Topas)、アシアナセイバー(Asiana Sabre)も海外の合弁パートナーとともに協議する。韓国国内で約2.8兆韓国ウォンの市場規模とみられるMRO事業も、従来どおり大韓航空が自社で展開する。今後は整備能力を拡充し、海外で行っている整備を国内でできるようにする。
マイレージは、両社のマイレージを比較した上で、合理的なレートを算定した上で統合する。利用者にとって客観的かつ公正な手続きを経て、合理的な結果が出るようにするとしている。
寡占化に対する懸念については、仁川国際空港の両社の発着枠は約40%と、ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港のデルタ航空(79%)、ダラス・フォートワース空港のアメリカン航空(85%)、フランクフルト国際空港のルフトハンザ・ドイツ航空(67%)と比べると小さいとした。韓国発の貨物のシェアも47.5%であることや、世界の航空市場は完全競争に近づいていること、航空運賃は政府認可が必要であることなどから、価格面での懸念は小さいとした。
統合後も供給量は変わらないことから、人員整理は行わない。両社で重複する間接人員は約1,200人程度発生するものの、定年退職や自然減を考慮すると問題のないレベルだという。