東京湾アクアライン、コロナ禍でも渋滞減らず ”自粛破り”も原因?

東京都を横断し、神奈川県川崎市と千葉県木更津市を結ぶ東京湾アクアラインでは、新型コロナウイルスの感染拡大による県をまたいだ移動自粛が呼びかけられている状況でも交通量が減らず、渋滞が発生していることがわかった。

NEXCO東日本によれば、東京湾アクアラインでは、ゴールデンウイーク期間の4月30日から5月5日まで、毎日夕方の時間帯に上り線(川崎方面)で10キロ以上の渋滞が発生していた。渋滞要因は主に交通集中や事故であった。

東京都や神奈川県、千葉県などは、ゴールデンウイーク期間中、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、都県境をまたいだ移動を控えるように呼びかけていたものの、東京湾アクアラインの交通量や渋滞はあまり変化がなかった。要因として、2009年から実施している、普通車の通行料を800円とする「ETCアクアライン割引」や、2012年に開業した大型商業施設「三井アウトレットパーク木更津」を挙げている。

また、各高速道路会社がまとめた、ゴールデンウイーク期間の利用状況は、全国の高速道路の主な40区間の平均では、平均交通量が2019年比57%に減少したのに対し、東京湾アクアライン(川崎浮島JCT(ジャンクション)〜海ほたるパーキングエリア(PA)間)では、2019年比89%となり、1割程度しか減少していなかった。沿線のレジャー先が人気な、東名高速道路(秦野中井インターチェンジ(IC)〜大井松田IC間)や、中央高速道路(相模湖IC〜上野原IC間)でも、平均交通量はそれぞれ2019年比71%となった。全国平均の交通減少に比べて、首都圏の交通量の減少幅は小さく、特に東京湾アクアラインではコロナ禍以前と同じような交通状況となってしまった。高速道路はレジャー利用ばかりではないが、多くの企業が休暇となるゴールデンウイークでは、やはりレジャー利用が多くを占めていると言わざるを得ない。首都圏では、都県境をまたいだ自粛要請が形骸化してしまっている、いわゆる”自粛破り”が露呈している現状だ。

NEXCO東日本は、東京湾アクアラインでは主に休日の早朝(下り線)や夕方(上り線)を中心に、激しい渋滞が発生し、通常より約2倍以上の時間を要している状況が続いているとして、混雑する時間帯を避けて利用するよう呼びかけている。