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入念な運用調整で実現 京成の現役8形式が大集合の“レアイベント”に密着
京成トラベルサービスは5月29日、京成電鉄で現役の8形式が一堂に会する「宗吾車両基地見学ツアー」を開催した。鉄道ファンなど172人が参加し、思い思いに各車両の撮影を楽しんだ。
ツアーの出発地は京成上野駅。参加者はスカイライナーなどで使用される「AE形」の臨時列車に乗り込み、まずは京成本線を1時間ほど走行して、宗吾車両基地の最寄り駅である宗吾参道駅へ。その後、宗吾参道駅からは徒歩で車両基地へ――というわけではない。今回のツアーの売りの一つは、列車に乗ったまま車両基地に入構できることだ。「座席を回転させてください」という車内アナウンスの後、列車は進行方向を転換し、本線から分岐して基地構内に入っていく。
ここで、ツアーの次なる見どころが到来。洗車機通過体験である。参加者を乗せた列車は構内で小刻みに移動と停車を繰り返し、大きなブラシが回転する洗車機をゆっくり通過。左右の車窓からは、その様子を間近に見学できた。
そして、参加者お待ちかねの車両基地見学の時間。「京成車両全形式大集合!」の展示コンセプト通り、京成電鉄で現在運用されている3500形、3600形、3400形、3700形、3000形、3050形、3100形に、参加者を乗せて到着したAE形を加えた全8形式が勢揃いした。現場関係者によると、全形式を同時に揃えるためには約10日前から運用を調整する必要があるという。特に、2編成しかない3600形などは計画的に運用しなければならない。京成電鉄の社員も「レアなイベントです」と口にする光景を目の前に、参加者はしきりにカメラのシャッターを切っていた。
今回のツアーには約170人の定員に対して825人の応募があった。車両基地見学ツアーは定期的に開催されているにもかかわらず、倍率4.7倍と好評を得たことから、京成トラベルサービスでは今後も同様のツアーを実施していきたいという。
▲横一列に並んだ(左から)3500形、3400形、3600形、3700形、3000形
▲3500形。1972年デビューで、京成電鉄の通勤型車両としては初の冷房車。現在は12編成が運用中
▲3400形。初代AE形の台車を流用して製造され、1993年デビュー。4編成が運用中
▲3600形。京成電鉄初のオールステンレス車両として1982年デビュー。2編成が運用中で、1編成は赤と青の一般色、もう1編成は登場当時のファイヤーオレンジの帯を配した復刻色
▲3700形。北総線との相互直通運転開始に合わせ1991年デビュー。2002年まで11年間製造され、現在は13編成が運用中
▲3000形。2003年にデビューした現在の主力車両。運転席の視界を広げるため、前面の貫通扉が片側に寄っているのが特徴。42編成(3050形を除く)が運用中
▲各形式の列車番号をよく見ると、3500形が「20」、3400形が「21」、3700形が「05」、3000形が「29」と、この日の日付を示していた。「今までは行き先表示で遊び心を加えていたが、今回は列車番号にした」(現場関係者)
▲(左から)3050形、3100形。運行ルートを区別するため、成田スカイアクセスのラインカラーであるオレンジの帯を纏った2形式。3050形には一般色もある。3050形は6編成、3100形は4編成が運用中
▲AE形。3代目スカイライナーとして2010年デビュー。最高時速は私鉄として最速の160キロ